はてはてマーチ

「高橋大輔」を好きなだけ語るブログ

氷艶 hyoen2017 破沙羅 再放送祈願

※主にNHKさんの方を向いて書いています。

前略 NHK再放送ご担当者さま

まずは単刀直入にお願い申し上げます。

何卒!氷艶 hyoen2017 破沙羅 の再放送を、どうぞどうぞ実現していただきたく、心よりお願いいたします!

フィギュアスケート歌舞伎という前代未聞のコラボレーションになった氷艶・破沙羅。
最終日の公演を観ましたが、観る前から最大限に期待していた自分の期待を更に上回る、驚かされっぱなしの大興奮なエンターテイメントでした。
これを高画質カメラと素晴らしいカメラワークで映像に残して下さったNHK様に心から感謝します。
見逃して残念がっていた友人にも、まだ見た事がないたくさんの人にも、是非もっとたくさんの方に見てもらいたい。自分もまた見たい!

NHK様におかれましては、既にたくさんの氷艶ファンから熱いリクエストが届いているとは思いますが、この片隅からも届くか届かないかは別として、とにかくどんなに自分が氷艶2017・破沙羅が好きでBSの放送が素晴らしかったと思っているかを勝手ながらプレゼン致します。
想いが強過ぎて長くなるかも知れませんが、出来るだけ簡潔にまとめるように気をつけます。最後までお読み頂ければ幸いです。(届きますように!)

コラボとしての格好良さ

フィギュアスケート×歌舞伎。
どちらもを追求し観客を楽しませるものという共通点はある。だけど構想を初めて聞いた時は、まさかここまでのコラボが可能とは思ってなかった。共通項はあっても世界が違い過ぎるのではと勝手に思ってた。
浅はかな先入観でした。

実際に話が動き出し、殺陣の練習など情報が入ってくるに連れてどんどん期待が膨らんでいき、更に振付に東京ゲゲゲイが関わっているという情報が入った所で一気に自分の期待値が上昇。そして初演後に溢れかえった観た人達からの大興奮のレポートの嵐!期待は最高潮に!

その状態で最終公演を観て、自分の持っていた常識の狭さと、鮮やかにそれを飛び越える演出の市川染五郎さん(現・松本幸四郎※この後は染五郎氏で通します)の力に度肝を抜かれました。

まず素晴らしかったのが演者が皆スケートリンクという同じ場所に居た事。
リンクの上はスケート靴が必須と思っていたけど、特注のスパイクならスケートをしない人もこんなに自由に(見える程)動き回れるとは。

広いリンクの上で、歌舞伎役者達が足を踏み鳴らし、アクション俳優が空を切り、その間をスピードスケーター達がすごい速さで縦横無尽に駆け巡る。

フィギュアスケーターの滑りは、地に足の付いた役者達とは対照的で、軽やかな優雅さがより際立って見えたし、終始スケート靴を履いていた市川笑也氏も、スケートの滑らかさでこの世のものとは思えない人外感と威圧感が出てた。

和太鼓のDRUM TAOもリンクの上で、時に身軽に配置を変えながらのパフォーマンス。背景の音楽としてではなく演技に参加しているのが良い。ストーリーの重要な役所としての在り方が本当に格好良かった。素晴らしい躍動感!

最後の決戦、刀をぶつけ合っての殺陣は、スケートのスピードと刀捌きが合わさって、とにかく格好良い。皆カッコイイけど、特に主人公の仁木弾正(市川染五郎) vs 源義経(高橋大輔)の一騎打ちには大興奮で血が湧き踊る!

どっしり構える染五郎氏に対して、飛び回り跳ね回り、あらゆる角度から切り込んでいく高橋さんがまさに神出鬼没な源義経。本気の真剣勝負な殺気を感じてゾクゾクした。
歌舞伎にもフィギュアスケートにも興味がなくても、チャンバラ時代劇が好きな人ならたまらないと思う。現に我が家の父がそう。

と言うか、ブレードがきらめくスケート靴で、氷を蹴散らしながら跳躍し、刀を持って歌舞伎役者とスケーターが本気の殺陣なんて!ときめきしかない!
その上DRUM TAOの和太鼓掛け声が殺陣の動きに合わせて鳴り響くんです。生で!ピッタリと!どんな贅沢!

更に。その舞台を、チームラボの精密に計算されたプロジェクションマッピングが、演者達の動きにビッタリ合わせて鮮やかに彩っていて、豪華極まりない。

様々な分野の一流の演者達が同じ氷の上で全開の演技を見せてくる、その迫力

公演千穐楽で演出・主演の市川染五郎さんが言った、皆さんは歴史の生き証人です!という言葉、本当に本当にその通りだと思った。
あの時のとにかくとんでもないものを見た!という興奮は1年以上経った今も鮮明に甦る、忘れられない記憶です。

自分がフィギュアスケートのファンなので、そちら側の感想を多く目にする機会がありますが、たくさんのスケートファンがその後、歌舞伎に足を運んでいます。完全にリピーターになっている方もお見かけします。

史上初のコラボの試みだった訳ですが、素晴らしい完成度と化学反応で、歌舞伎の良さを今までそれを知らなかった層に広めたと思う。見事な宣伝素材です!

歌舞伎初心者が感じた歌舞伎の美

歌舞伎をそれまで一度も観た事ない、日本の伝統芸能なのにそれに対してほとんど知識のない、日本人としてやや残念な自分が、一発KOで歌舞伎の魅力ってスゴイ!と思ったこの公演。

何と言っても歌舞伎役者さん達のが魅力的。
歌舞伎の声にこんな魔力みたいな力があるなんて全然知らなかった。普通に地声が良いとかそんなものじゃなくて、鍛えられ積み上げられた伝統の力を、声から感じた。
ただ台詞を喋っているというのではない、詩吟のような謡のような朗々とした声がこちらの体の芯まで届く。
リズムのある声の響きに、一気に気持ちを引きつけられる。その抑揚がとても心地好い。

市川染五郎氏の艶やかなカリスマの声はさすがの貫禄で、姿を見ずに声だけ聞いていても酔わされるし、女形市川笑也氏の妖艶なこの世のものとは思えない声音は、それだけで既に神様。

声ってこんなにも役に説得力を持たせるんだと思った。どんな突拍子のない設定でも、その声を聞けば納得してしまうような。

歌舞伎の動きの格好良さ、踊りの緩急、間の絶妙さにも魅せられた。

特に動きの間。足をダンっと踏み下ろし見得を切るのも素晴らしく気持ち良いけど、それも絶妙の間があるからこそなんだと思った。キメの動きと動きのつなぎに入る、このバランスが気持ち良い。トメル動作も印象的。

特に宴の席の場面、歌舞伎方4人が揃って舞を披露する所は惚れ惚れしました!

染五郎さんの宙返り宙乗りでの回転や笑也さんの毛振りまで見せてもらえて歌舞伎の魅力が盛り沢山。

フィギュアスケーターの演技力

フィギュアスケートは、スポーツの中でも演技力も表現の一つとして取り入れられる競技だけど、台詞がないとは言え、というかだからこそ、スケーター達もここまで身体だけで演技が出来るのかと驚きました。

高橋大輔さんは、主人公の一人として出番も多かったし、自分がそもそもファンなので現れればほぼロックオンで観てしまうんですが、とにかくずっと源義経として存在してる。一瞬たりとも素にならない。どんな時も義経だった。

そして長唄でのあの舞。スゴイ。
敵方の仁木弾正を虜にしてしまうという筋書きが、あまりにも当然と思うような圧巻の踊りの説得力だった。
しかも、変装して女性として舞うという設定の中、きっちり義経として女装しているという演技力。仮面を付けた時、仮面を取る時、そこでガラッと雰囲気を変えられるのはさすが!

村上佳菜子さんの演技も素敵だった。
夫の猿田彦の周りを飛び跳ねるように踊る愛らしさたるや。夫を心から慕い大好きだという気持ちがあふれていて、この夫婦の相思相愛っぷりには笑顔にならずにはいられない。
弁慶となった猿田彦が往生した時の悲しみの舞には胸が締めつけられた。純粋な悲しみがひしひしと伝わって来た。

荒川静香さんの一人二役も、役の振り切れ方が見事!
敵役側になる二役目の蛇髪姫の時には、芝居冒頭の女神役の時の優雅さはどこにもない。
有り余る程の圧倒的な力で弱い人間を弄ぶのが、ホントに楽しそうで。
それがどこか無邪気な雰囲気で、ご主人様に褒められたがっているやんちゃな子どもの様でもあり。
フィギュアスケートを見ていて荒川さんに女神がハマるのは分かっていたけど、こんな方面の演技が出来るとは新鮮な驚きだった。すごく良かった!

織田信成さんの瓊瓊杵命のやんごとなき感もよくはまっていた。普段はコミカルで人当たりの良いイメージがある人だけど、凛々しくて厳かないかにも高貴な神をしっかり演じてる。

木花咲耶姫浅田舞さんは、軽やかな動きがまさしく花のような美しさと可憐さで、瓊瓊杵命が一目で恋に落ちるのも納得の魅力。自然と目が惹き付けられる華やかさ

静御前を演じた鈴木明子さんは、義経の中の幻影として登場し、義経の心の中だけの儚い癒しなのかと思ったら、少しずつとした強い女性としての実体のような力強さを感じさせていく、その変化が印象的だった。

女性陣がか弱く守られるものとしてでなく、優美な癒しとしてだけでなく、自ら戦って大切なものを守ろうとする強さが前面に出ているところも、この破沙羅の魅力の一つだ。

舞台としてのスケートリンクの魅力

プロジェクションマッピングの投影対象として

真っ白な広いスケートリンクにチームラボのプロジェクションマッピングが艶やかに映える。考えてみたらスケートリンクって絶好の投影対象なんじゃないか。

岩長姫が弾正を呼び出す妖し気な呪術のシーンは、黒いシルエットのスケーターがスピードにのってグルグルと周り、その動きの中で映像の草花が姿を変えていくのがゾワっとするほど不気味だった。おどろおどろしさ満点。

一転して義経召還の場面では、華やかで清浄な空気を醸し出す。
吉野の千本桜が舞台と思われるリンクに広がった一面の桜の中を、切り裂くように一羽の鷹がよぎり、満開の桜がぶわっと飛び散ったそのの中から義経が現れる。鷹の速さ、スクリーンに一気に舞い散る花、風を切って現れる義経、そのタイミングが鮮やか!!!

最後の決戦直前のDRUM TAOの演奏がメインになるパートも素晴らしかった。
噴火するマグマ、嵐、大海原。
和太鼓の激しい音からマグマが噴出するみたい。直接こちらの腹に響く振動としての太鼓の音と、音を可視化したような映像との迫力でどんどんが高まっていった!目から、耳から、肌から、一遍に音が入ってくる気持ちの良さが何とも言えない高揚感を生んでワクワクする。

芝居の舞台として

歌舞伎に限らず通常の演劇は、正面の限られたスペースを一方向から見る形のものが多い。対してスケートリンクは広大なスペースで、ほぼ360度、舞台をぐるっと囲むようにして客席があり、ほとんどの客は上から見下ろす形になる。

この形と広さがプロジェクションマッピングにも活きるし、演技もほぼ全方向に向けて見せる事になるのが面白い。(破沙羅では客席の4分の1くらいを潰して舞台裏にしていたけど、普通の舞台に比べれば断然広い。)

一つ一つの芝居が大きくなるし、スケーターの移動の疾走感もあって、とにかく視覚からの勢いがスゴかった。ストーリーの躍動と合わさってエネルギーに溢れてた。

和太鼓の迫力と芝居との融合

DRUM TAOの魅力はチームラボの映像とのコラボだけでなく、前半最後の蛇髪姫と大蛇のシーンなど、スケートとのコラボレーションも圧巻でした。

メンバーが演奏しながらリンクに躍り出てきて、悪方の軍勢として参加している。スケーター達が操る大蛇の不気味さや荒川静香さんの躍動感あるスケートの背後で、太鼓を叩きながらTAOのメンバーが跳ね回るのがすごい迫力。

皆さんキビキビしてて格好良いけど、中に女性もいらっしゃって、これがまた忍者のくのいちみたいで格好良い。
このTAOの躍動感もあの場面の圧倒的な力を感じさせる大きな要因だった。和太鼓の音とフィギュアスケートもビックリするくらい合う!

4K映像の素晴らしさ

全体的に暗い照明だったリンクを4Kならではの高画質で見事に細部まで捉えてくれていた。
仄暗い幽玄の世界はそのままに、演者達のちょっとした表情までしっかり映されていて、あの時の記憶が甦ると同時に、天井席からでは見えなかった細部が分かり新しい感動も貰いました。

そして、何と言ってもカメラワークの素晴らしさ。
アップと引きが絶妙なバランス。

あの広いリンクの舞台で、一度にたくさんの事が起きているので、これをどうやったら画面に納められるんだろうと思ってました。素人目にはかなり難しそうだと感じてましたが、さすがプロの仕事。
期待を遥かに超える完成度で、痒い所に手の届く素晴らしい編集映像でした!

NHKならではの4Kカメラとこだわり抜いたのだろう映像技術。

この技術があってこそ、あの時の興奮が鮮やかに保存されたと思います。あの時の空気が映像として残っているのが本当に嬉しい。

日本の技の結集

氷艶って、単純に歌舞伎×フィギュアスケートアイスショーというだけでなく、とてつもなく面白いエンターテイメントで、それが、日本の各分野の誇らしい程の技術の集結によるものなんですね。
各分野のプロ中のプロが、限界に挑んで見せてくれた、前例のない史上初の、めちゃめちゃ楽しい一大プロジェクトでした。

あまりにも心躍るショーだったので、自分が楽しんだだけではもったいないと思うんです。すごく自分に響いたものを観た時、色んな人に紹介したくなってしまう。

大抵は自分が楽しんでいれば、趣味は人それぞれだし、そこで満足してるんですが、ここまで爽快に驚かされてしまうと、この喜びを誰かに伝えたくて仕方がない。出来るだけ多くの人と分かち合いたい。いえ、分かち合えなくても良いけど、分かち合えるチャンスを多くしたい。

だってこの世紀の公演が、素晴らしい映像技術で保存されているんですから。
皆に知られないともったいない!
氷艶・破沙羅半端ないって!


あの…大変差し出がましい事ですが、NHKさんのEテレでは古典芸能への招待という番組がありましたよね。
あの、いかがでしょう。あれにピッタリな素材じゃないですか?

古典かと問われれば、…ちょっとアレだけど、常に新しく「かぶく」力は古くから伝わる日本の伝統芸能のはず!
素晴らしいこの日本文化を、今まで興味はあっても見てこなかった(自分のような)新規層に紹介するには、この氷艶、打ってつけのコンテンツではないでしょうか。

もちろん、古典芸能という枠に囚われず、日本の一流技術の結晶という事で、総合テレビでの放送でも!日本独自の芸能・スポーツ・アートの結集!
4K技術による番組としても格好の宣伝になるでしょうし、なんならNHKスペシャルでやって頂いても良いのではーーーー!!!

出演しているフィギュアスケーターも、オリンピックメダリストなどスター揃い。彼らが演技をするというだけでも興味を持つ人は多いはず。
その上、今をときめく松本幸四郎氏の染五郎時代最後の演出大作!歌舞伎のファンでもスケーターに興味を持つ良いチャンスですし。

いかがでしょうか?
是非是非再放送お願いいたしたく!!!あの、出来れば地上波で…。もちろんBSプレミアムでも再放送があれば素敵な事に変わりないですけど。
まずはどうぞ再放送の程よろしくお願いいたします!!!


ちっとも簡潔じゃなくてすみません。出来うる限り削ったつもりでのこの長さ…
でも、もしももしもお時間もう少しあったら、過去のエントリーにある氷艶への思いの丈も読んで頂ければ幸いです。そっちはそこまで長くないです。

hatehatemarch.hatenablog.com

草々