はてはてマーチ

好きなプログラムを好きなだけ語る場所

徹子の部屋(ゲスト高橋大輔選手)の感想

大好評の感想を沢山聞いてた「徹子の部屋高橋大輔くんの回(2019年4月4日)。
放映の日からだいぶ経ったけど、やっと自分も録画を見られました!
短い時間の中でも高橋くんの素の良さがいっぱい紹介されてて楽しかった。

特に、引退後ニューヨーク(NY)へ語学留学へ行った時の話についての徹子さんの反応が印象的で、ムズムズと感想が書きたくなっての投稿です。

行って良かったNY🙌

高橋くんは、NYでの生活を割と自虐的に語りがちだけど(「今思えば逃げだった」とか「荒んでた」とか)、徹子さんが高橋くんのNY行きを全部肯定的に捉えてて、またその仰り方やタイミングが素敵でじーんとした。
これが人生の経験者の言葉の力かーと思った。

自分の弱さをしっかり見つめて隠さず口にするのは高橋くんのすごいトコだし、自分に厳しくダメだしする客観性が彼をどんどん成長させるんだろうと思うけど。(でもそこまで言わんでもー!と時々思う・笑)
ただの外野の傍観者の自分としては、高橋くんのNY留学は、本当に心から行ってくれて良かったなと勝手に思ってるから、徹子さんが前向きに受け止めて、高橋くんから肯定的な言葉を引き出してくれたのがすごく嬉しかった。

徹子さんも人気絶頂で仕事をされていた若い頃「このままだと何も知らないうちに世の中終わっちゃう」と自分の状況を変える為にNYへ行かれた事があったんですね。知らなかった。

ちょっと気分を変えるのは良かったと、ご自身のかつての経験を踏まえて、高橋くんに向けて「後になればあの時のNYは良かったなって思えますよ、絶対にね」って。
それに笑顔で何度も頷く高橋くんを見て、「今でももう思えてるでしょ?」と畳み掛ける徹子さん。
そこから「あの生活があったからこそ次に踏み出せたし、すごく良かったなと思う事は沢山ある」という高橋くんの言葉が聞けたのが嬉しい。
素敵な言葉と素敵な言葉の引き出し方に、黒柳さんの徹子の部屋44年目の訳を見た気がする☺️

引退を決めたあの頃の高橋くんは、すごく自分を保つのが難しい状態だったと思う。
人前ではニコニコしてて、落ち込んでるような素振りは全然見えなかったけど、目や声に張りがなくなってるのは分かった。

引退の前、ベテランの年齢で靭帯の古傷を抱えたまま過密な試合を重ねた事も、
骨挫傷という骨折寸前の怪我を抱えて五輪の最終選考の試合に出るしかなかった事も、
それで怪我の安静期間を十分に得られなかった事も、
代表に選ばれた責任感で自分を追い込んで過酷な練習を課した事も、
直前のロシアでの練習中に高熱を出して体力が落ちただろう事も、
熟睡できない治療具をつけたままのきつい治療を五輪中まで続ける状態だった事も、
試合に使う曲の事で彼自身とは全然関係ない下らない騒動に巻き込まれた事も、
ご本人にはどうにもならなかった色んな事をなにっひとつ言い訳せず、
結果に対してはただただ自分のメンタルの弱さを責める言葉ばかりで、自分への自信を失くしていたらしい高橋くん。
それでもひとたび滑ればあんなに人の心を動かすスケートをしてくれてたのに、彼自身にはもう分からなかったんだろう。

なるべく人に会いたくなかったと言う程自信を失って、それでも律儀な性格からか、今までお世話になった人や企業に恩を返すように、スポンサーのイベントや地方のトークショーや子ども達へのスケート教室やらTV番組のゲストやら、笑顔で色々こなしてたけど、確かに出来る限り表への露出はしたくなかったんだろな。

徹子の部屋」に前回出たのもこの頃で、今回の番組で当時のVTR「全力で当分滑っていただけるのがいいな」と仰る徹子さんに、言葉を選びながら答えるかつての高橋くんの場面を振返ってたけど、それを懐かしむような目で見てた今の高橋くんにちょっとしんみり。
改めて今見ると表情の違いが歴然としてて、穏やかさは同じでも、目の力も言葉の力強さも全然違う。

あの頃の疲れきって自分を見失ってた彼が、あれ以上日本に留まっていたら、疲弊して摩耗し切ってしまったかも知れない。(そんなの絶対イヤだ!)
引退したての注目の人気選手をメディアはあの手この手で待ち構えてた。なんか訳の分からん熱愛報道とかも作り上げられてたし。
静かに自分を見つめ直したくても、日本にいる限り周りが穏やかに放っておいてくれる環境じゃなかった。

あの時、受ける仕事を厳選して、日本を離れてくれて本当に本当に本当に良かった。

高橋くんのコーチ、長光歌子先生の話では、あの頃は色んなオファーをほとんど断ってしまって、調整をするマネージャーさんは大変だっただろうと話してたそう。
一時の人気仕事だけじゃなく、この先生活にずっと困らないような有難いオファーもあったそうだけど、それもみんな断って、日本を出る決意をした。

「逃げるように」とかご本人は言うけど、歌子先生にもったいないと言われるような好条件の仕事のオファーが沢山ある場所を、そこにいたら自分がダメになると自分で判断して離れる決意をしたんだから、すごく真面目な人だと思うしすごく勇気ある決断だと私は思う。かつての徹子さんみたいに。

そう言えば高橋くんのアメリカ留学前の最後の置き土産に、リステリンのCM企画もあった。
リステリンという商品をとにかく21日間続けて使ってみてもらおうという趣旨にかけて、新しい事に21日間挑戦するという企画で、高橋くんのNYからの自撮り動画を何回かに分けてアップしてくれたんだった。
このお陰でアメリカへ行ったばかりの頃の彼の映像が少しだけ見れた。

高橋くんの挑戦は、色んな人に話しかけて笑顔を撮るみたいなんだったかな。ニコニコ現地の人に話しかけながら、沢山の人達の笑顔を集めてた。
あの時高橋くん、自分を変えたい、変わりたいって仰ってましたね…。

本当は静かに放っておいてほしい時期だったろうと思いつつ、日本を旅立っちゃった高橋くんが気になって仕方がなかった自分にとって、短い期間だったけど泣きたいくらい有難く、貴重なアメリカでの高橋くんの映像でした。

でもあれは、日本の色んな事から離れたかった彼にとって、負担の大きい企画だったかも知れないなあと今になって思う。それでも引き受けてくれて、アメリカ生活の欠片を見せてくれて本当にありがとうございました。やっぱり律儀な人だ。

高橋くん自身は、マンハッタンでの生活を自堕落みたいに語るけど、語学学校に通いながら宿題して、ダンスの講習も受けて、お芝居やら展示会やらNYのエンタメに沢山触れて、友達といっぱい遊んで食べて飲んで、たくさん悩んで考えて人と話して、そうゆう自由な生活をあの時の彼が出来たって事が、何故か赤の他人の自分にはすごく嬉しくてホッとする事だった。

なんせとにかく元気になってほしかった。
高橋くんのスケートのファンとしては、あわよくばその先にスケートへの気持ちが戻ってくれたらって願望もあったけど、とにかく何でもいいから元気になってくれ笑ってくれ人生を楽しんでくれと祈る思いだった。
もはや何目線なのか自分でも分からなかったけど、ひょっとしてこれがって事ですか?

すっからかんになる程精神力を使い果たして、萎れ切っていた高橋くんの心の花の根っこに、ちょっとずつ養分が取り込まれて行くような、そんなイメージで勝手に見てました。

練習漬けのアスリート生活しか知らなかった高橋くんには、毎晩飲むだけで荒んだ生活にも思えたのかも知れないけど、それくらいの自由さで「荒んだ」なんて言われると…、私も自分の胸に手を当てて過去を懺悔しないとマズい気になってくるぞ。しないけど。ただの楽しい思い出としか思ってないけど(笑)。

私が自分に甘いのは確かだとしても、高橋くんは自分に厳し過ぎると思うよー。
でもつまり、それだけ制限の多い生活をそれまでしてきてたからこそ、なんでしょうか。改めてアスリートって厳しいんだな。

だけど、この時にしっかり全力で自由な時間を使ってくれたからこそ、次の決断が早かったんだと、高橋くんのいろんな言葉を聞いて思う。
自身の次の目的が見つからない中、活躍の場を求めて精力的に動くニューヨーカー達と間近に接して、自分はこのままここにいてもダメだと決断したのは結構早かった。

渡米の前は、留学は最低でも1年、多分2〜3年、もしかしたらもっと、なんて話だったのが、7ヶ月での帰還。
そうゆう判断の早さと潔さはさすがトップアスリートだなって感じる。そしてめちゃめちゃ嬉しかった。🙌

つまり、NYへ行ってくれて本当に良かったし、早めに帰ってきてくれて本当に嬉しかった。😭😭😭

徹子の部屋では他にもいろいろ素敵な話があったんだけど、NY留学のくだりで自分の心が回想状態になってやたら長々書いてしまいました。
もうこの辺にしとこう。

あ、やっぱりあと一つだけ。

幼少期の家族との心温まる話からの、実家の両親にお礼のつもりで家と犬をプレゼントしたという話も素敵でした!

かつては狭い家で、実家に自分の部屋がないから帰りづらかった(笑)という高橋くんが、新しい家をプレゼントしてからは自分も帰る機会が増えたって話も、聞いてて何だかほっこりする。ご両親もすごく嬉しいだろうな。

それまでに稼いだお金は全部つぎ込んだというのは初めて知ったけど、貯金に頼らずこれからしっかり働くぞという決意がイイ!

人に大事にされて人を大事にする高橋くんの原型が、高橋家のご家族の関係から見えるようで、良い話だなあとしみじみ。

徹子さん、高橋くん、素敵なお話をたくさんありがとうございました!

高橋大輔 沼への道 step20 ライラックワイン

このブログは、自分が高橋大輔の沼にちょっとずつ落ちていった道程を、プログラムごとに辿るために始めたブログです。

が、
それをやってる途中で、まさかの高橋くん競技復帰!!!となり、自分の頭がなんかパーーーーン✨ってなったので、最近は当初の目的のプログラム感想以外のエントリーが多くなってました。
でもどうしても書きたい過去プログラムの感想は、まだまだいっぱいあるのです。

という訳で今回の自分の沼への道振返りプログラムは「ライラックワイン」。
題名を書く為に数えてみたら、沼への道がstep20になってる…。一体いくつ階段あるの。
まさかまさか、選手が引退してから更なる深みに真っ逆さまなんて、そんなオモシロコースがあったとは。

ってゆうかこの辺りからは、もう階段ってより地に足着いてなかった。
どっかで完全に踏み外して底抜けてた。
今や自分がいる地点が沼なんだか海なんだか温泉なんだかワカリマセン。(熱帯雨林の大河という説もある?🐟)
とりあえずとても深くて広くて面白い

たまに嵐が来るけれど、それもまた愉し☺️
いい時も悪い時も、人生を豊かにしてくれる豊穣の海だか沼だかアマゾン河だかのなにかです✨

"Lilac Wine" by Jeff Buckley

Lilac Wine(ライラックワイン)は、高橋くんの引退中の新プロの一つ。
振付は彼にとっては初めての振付師で、かつての選手仲間でもあるジェフリー・バトル
初披露になったのが、NYの語学留学からの帰国して2つ目のアイスショー「スターズオンアイス2016」で、その前にTBSの振付密着ドキュメントなんかもあったりした。

このドキュメンタリーで振付のジェフリーと高橋くんの二人で並んで滑ってる練習シーンがあるんだけど、これがドえらい眼福でした。
タイプの違うスケートなのに動きの間合いが一緒で、和音のように響いてくるのが素敵で、よくぞカメラが入って見せてくれたと感謝感激。

高橋くんにとって、留学後再始動の初年だった2016年。
まだこの頃は、高橋くんの心の状態が自分にはよく分からず、どんな感じ?今の高橋くんどんな感じ?ってそわそわジリジリ待ってたので、この振付の密着番組と言い、その数ヶ月後のダンスの舞台「LOVE ON THE FLOOR」の密着番組と言い、放送してくれたTBSの担当スタッフさん達の存在がしみじみ有難かったなと、今ついでにしみじみ思い出した。

今年も先月高橋くんのお誕生日前後であの頃の再放送が流れてたそうで、高橋くんが迷っていた時に側で見守っていた人達が、今の高橋くんの活躍を心から応援して背中を押してるように感じて、きっとあったかいご縁なんだろうなあと勝手に感じ入ったりしてます。

さて、
このプログラムには、落ちたというより酔っぱらった。
「ワイン」で「酔う」ってベタ過ぎ…だけど、やっぱりそうとしか言い表せません。
これは…酔っ払う…。
ほろ酔いよりだいぶ進んでて、けどヘベレケまではいかないくらいのユラユラ感。

競技用ではないからこそのゆったりした繊細な魅力があって、伸びやかで繊細なジェフ・バックリィの歌声を、細やかに捉える高橋くんの感性が、ひたすらゆらゆらと気持ちよかった。滑らかに動く軌道にうっとり釘付け。
音を魅せる人だ。ってゆうか、音に乗る感情を魅せる人だなあ。

それにしたって、ジェフ・バックリィ高橋大輔の組み合わせは凄まじい。

ライラックワインはメロディーの美しさも素敵だけど、バックリィの歌声がなんとも言えず甘くて深くて伸びる。
歌声なのかギターの音なのか分からなくなるくらい、ピアニシモの細い音量の時さえ綺麗に真っ直ぐ伸びるのが気持ち良い。
その抑えられた微熱みたいな熱さがそのまま高橋くんのスケートに乗り移って、これが渾然一体ってやつなのか、混じり合って階層になってより深く響いてくる感じ。
あれ?高橋大輔ってジェフ・バックリーなんだっけ?とか、酔いの廻った頭(※ノンアルコール)でフワフワ考えだすくらいの一体感。

なんであんなに音楽そのものになれるんだろう。
音源が同じ録音でも、彼の身体から出てくる音楽がその時々でちょっと違ったりするのも不思議。
バックリィの声の伸び方とか、違う時がある。
長く伸びる時と、すーーーっと空気に馴染むように消える時と。高橋くんの指先の動きで変わるの。あれ、すごいなあ。気のせいとは思えないんだなあ。
演技に酔っ払った中(自分が)での体感だけど、何度見てもそうなる。

リンク一面にライラックの香油が引かれたみたいな、ヌーッと音もなく穏やかに滑るスケート。
音楽と一緒に創り出される世界にどっぷり浸れる。音楽が動きの視覚で入ってくる。
この感想フレーズはいろんなプログラム感想で間違いなく何度も書いてるけど、何度でも新鮮にそう思って何度でも新鮮な気持ちでそう書くんです。

つまり高橋くんのスケートって、相当な確率で音楽に浸れる。
浸れるし溺れるし蕩けるし酔う。
自分の高橋大輔のスケートへの絶対的な信頼は、多分これなんだな。

引退中のプログラムは、スポーツ的な技術では試合の比じゃなくても、音楽への浸り方はますます尋常じゃなく深くなっていった気がする。

目も耳も、五感に入る全てがただただ気持ちよくて、ほわ〜〜〜っと見蕩れてしまって怖いくらい。麻薬みたいな。いや、知らんけど。
ものすごく気持ち良い懐かしいような温かさがあって、胸が締めつけられるくらい寂しいってゆう。なんだろう。
実生活では、そんな切ない気持ちってなかなかならないのに、高橋くんのスケート見るとしょっちゅうぎゅうぅぅぅぅっとなるんです。
あのカタルシスが中毒を呼ぶのか。
やっぱ麻薬なのか。

演技が披露されたのはスターズオンアイスの他に2016年のザ・アイス、フレンズオンアイス、カーニバルオンアイス、2017年のゴールデンモーメントハワイ(他にあったかな?)。

自分は最初に見て惹かれたスターズオンアイス(東京公演の黒い衣装の方)のが好きだけど、途中でダンスの舞台(LOVE ON THE FLOOR)の練習が入って身体の使い方が少し変わったザ・アイスや、そのちょっと後のフレンズオンアイスのもいいし、ビジュアル(髪型)的にはカーニバルオンアイスが好き。

ちょうど今、庭のライラックの花芽が膨らんできて、蕾の濃い紫が本当にワインぽいなあとか思いながら眺めてます。
陶酔と退廃の入り交じる素敵なプログラムで、春の気怠い日、特に湿り気のある雨の日とかに、このライラックワインがとても似合うと勝手に思ってる。

今日は綻び始めた花に4月の雪が積もって冷たそうだったけど、冷たい雫でアイスワインとか出来そうな雰囲気でした🍷

f:id:hatehatemarch:20190410151614j:plain

 

世界フィギュアスケート選手権2019

2019年の世界フィギュアスケート選手権は日本開催。
地上波の生中継に大喜びしながらも都合で一部しか見られず。
でも有難い事にフジTVがアーカイブを動画で上げてくれたので、やっと今になってちゃんと見られました!フジスケさんありがとう!!!

音楽とフィギュアスケート

フィギュアスケートを観る時、自分は音楽の表現を一番楽しみにしてるんだなと試合を観る度にしみじみ思う。
TV観戦だと解説の声が入ってくるけど、音楽に耳を澄まさなくても、視覚からすんなり音が身体に入ってくる演技が時々あって、そうゆう演技がすごく好き。

今回今更ながらどうしても感想を書きたいプログラムは、
坂本花織さんFP
スイハンFP
パパシゼFD
ネイサンSPとFP。

女子は特に好きなプログラムが多くて、坂本さんだけじゃなく日本女子は三人とも音楽がスッと入ってきて素敵だった。
坂本さんはスケートのブレードから。
知子ちゃんは全身の神経から。
紀平さんは身のこなしのしなやかさから。
ベルちゃんの溌剌ショートも好き❤️
男子もドラマがあって楽しかったし、ダンスも素敵組だらけでした。

でもとりあえずは、主にこの4組に絞っての感想文。

坂本花織
ピアノレッスン

坂本さんのスケートは、のびやかで雄大で、使う空間がすごく広く感じる。
音がどんどん外へ外へと広がってて、境界がないみたい。すーっと溶けてく。
プログラムの世界観だけがあって、演じてる坂本さんも観てる自分も、ふわっと透明になってその中にいるような不思議な感じ。

スピードにのって風を起こす坂本選手が、絶対的にその世界の中心にいるのに、なんであんなに自我を感じないんだろう。
印象がすごく素直だって思う。
スケートもジャンプも水の流れみたいにプログラムに溶け込んで、見てて本当に気持ちが良い。

透明で爽やかな印象だけを残して、実体が掴めないけど強い存在感があるみたいな。ちょっと何言ってるのか分からない。
うまく言葉に出来ないけど、とにかく新しい未知の魅力って感じがする。
この先どうなるんだろうってワクワクする。
来シーズン、どんなかおちゃんが観られるかな。もう今から楽しみ。

スイ・ハン
Rain, In Your Black Eyes

ペアのスイハン(ウェイジン・スイ / ツォン・ハン組)のフリー。

カップル競技は二人でやる立体感が素敵で、音楽の表現もシングルとはまた違う面白さ。

最初、少し離れて二人が真っ直ぐ向き合って曲を待つ。
そこにピアノの音が一つ落ちてくる。
ここでもうゾワっときた。

すっと二人同時に動き出して、コンテンポラリーを思わせる不思議なリフトの形で始まる。
静かに進むピアノとストリングスに合わせて、前半は感情を抑えるような滑り。
二人のタイミングの揃った動きで、緊張の糸を紡いでるみたいな。
スルスルと流れるスケートの動きがしみじみ綺麗。

2回目のダイナミックなスロージャンプからバッと動きが激しくなってスイちゃんの表情が一気に華やぐ。
彼女の情熱とハンくんの秘めるような熱さが溢れてきて、音楽の盛り上りとの重なりになんかちょっと泣きそうになった。
溜めていた感情が一挙に放出されたようなリフトの畳み掛け。
ぶわあぁぁっとなる。何かが。
素敵だ…。素敵だ…。

最後どんどん高まって突然止まるような音楽の終わりに、バシっと止まるんじゃなく、少し脱力するようにグワンっと終わるのがまたイイ!
素っ晴らしい演技だった。

フリー(31:40辺りから)

【フジテレビ公式】世界フィギュアスケート選手権2019<ペアフリー・第5グループ+表彰式>ノーカット配信 - YouTube

パパシゼ
Duet / Sunday Afternoon

アイスダンスは眼福だらけ。
音楽との向き合い方がみんな気持ち良くて、エッジの流れがスムーズで見蕩れる。見てて本当に楽しいカテゴリーだと気づいて最近楽しみにしてる。

その中でも自分にとってパパシゼ(ガブリエラ・パパダキス /ギヨーム・シゼロン組)は圧倒的

リズムダンスのタンゴの情熱も素敵だった。
タンゴはやっぱり足の跳ねっ返りがキュンとくる!

でもフリーダンスのやわらかな情熱は…。
これが!これが!観たかったんだー!
出だしの二人の身のこなしで、もうたまらん!!!ってなる。
動きの柔らかさとキレのタイミングと音楽が完全に一緒で、ハミングの息づかいも二人の動きのままに聴こえてくる。

華やかで明るくて力強いガブリエラさん(女性)と柔らかで繊細で雄弁なギヨームさん(男性)のバランスが絶妙ですごくすごく好き。
動きの全部が響き合って音楽を語ってくる。何もかもがジャストフィット。至福の世界〜。
力が綺麗に抜けて見える人ってすごく綺麗に見えるんだなあ。それが二人いっぺんに音楽と溶け合って目に入ってくるんだもの。

リンクが氷とは思えない。
二人のスケートから重力も摩擦も感じない。
滑らか過ぎてリニヤみたいな不思議な感じ。

アイスダンスの選手は皆スケートが滑らかだけど、パパシゼは飛び抜けて上手くて、緩急の加減も揃ってて、なんか極上の透明感がある。この世の物じゃないみたい。

前半のふんわり美しい世界は二人とも柔らかい風みたいで、特に女性のガブリエラの華やかさに浸ったけど、やっぱり二人合わせての空気感でもある。
後半スローテンポのまま曲調が変わって、音楽の情感がどんどん激しくなると、男性のギヨーム君に目が移ってく感じだった。いや、やっぱりそこも二人揃ってこそなんだけども。

別々の二人の特性が束になって感情の波みたいになってて、それにこっちが呑み込まれちゃうような。幸せな体感。
男女の恋愛感情とかより、もっとスケールの大きい普遍的な自然現象みたいにも感じる。
このカップルの独特の音楽へのアプローチで、特別な世界観を醸し出すのが好き。
フィギュアスケートって素晴らしいなー。

フリーダンス(38:50辺りから)

【フジテレビ公式】世界フィギュアスケート選手権2019<アイスダンス・フリーダンス(FD)第4グループ+表彰式>ノーカット配信 - YouTube 

ネイサン・チェン
SP:キャラバン / FP:Land of All

男子ではネイサン・チェン。
彼の場合は音楽というより、プログラムの雰囲気の中での動きのクールさと楽しさに目が引かれる。

肩甲骨の辺りが柔らかいのかな。
腕が直線的で力強さがあるのに肩がすごく動いて、腕の角度に色んな幅が出るのがカッコイイ。その上指先が柔らかくて、上体だけでも様々に表情が出せる感じ。
フッと腕を伸ばすだけで、ああネイサンの動きだ!って思う。Cool!

フリーのジャンプ構成はとんでもなかった。
事も無げに次々と四回転ジャンプを決めていく、その勢いにも気持ちが揚がるけど、何より視線が上向きな事が多くて、外に気持ちが流れてくる感じが好き。

ジャンプもヒョイ。って。
まったく危なげなさ過ぎてうっかりさらっと流し見ちゃうくらい。
え?それ最高難度の四回転ルッツだったの???

ジャンプまでこんな余裕を見せてくるようになった今、今後更にどうなっちゃうんだって、先回りで未来にまでドキドキする。

リラックスした自然体の雰囲気のままのような、力みのない演技。
終盤のコレオは切れ味抜群で格好良過ぎて、観てるだけの自分も血湧き肉踊ってくる。
最後のスピンがまた素晴らしい✨

ショートのキャラバンは隅から隅まで楽しさが溢れる大好きなプログラム。
今回も出だしからガチっと掴まれて最後まで一気に持ってかれた。
あの躍動感、ワクワク感、飛び出す感じ、たまらない!!!

ネイサンの動きに煽られて自分もウキウキ踊りだしたくなるけど、観るのに集中したいから我慢するというジレンマもまた楽しい。
軽やかに動きまくる演技がとにかく似合う!

ショート・フリーともに圧巻の出来で、前年からの世界王者連覇を達成しておきながら、どっか涼しい顔なのもこんなとこまで余裕ですかカッコイイ。
それにひきかえラファエルさん(ネイサンのコーチ)、喜びの爆発っぷりがカワイイ(笑)。

【フジテレビ公式】世界フィギュアスケート選手権2019<男子ショートプログラム・第6グループ>ノーカット配信 - YouTube

【フジテレビ公式】世界フィギュアスケート選手権2019<男子フリー・第4グループ+表彰式>ノーカット配信 - YouTube

試合の面白さ いろいろ

フィギュアスケートの試合を観るのはやっぱりいいなと思う。
表現の美しさや楽しさもあるけど、懸命に競技に向き合うアスリート達の姿そのものも眩しかった。

女子のメドさんザギさんは、今シーズンの不調からよくぞここまで…!って感慨深くて、女の子達の健気な強さが沁みる。
ツルシンちゃんはとうとうシニア女子初の四回転成功。会場では同郷カザフスタンの英雄、テン選手の写真展もあったそうで、カザフの関係者も沢山来日されていたようだし、皆さん喜んだろうなと思うとなんか嬉しい。

テン君の事は。なんでここにいないんだって思う。ずっと思うのかなきっと。

男子は4回転ルッツ等の大技を持つボーヤンコリヤダくんも復活の兆しがあったし、初めて表彰台に乗ったヴィンセント・ジョウ選手もジャンプだけじゃない表現への意欲も伝わってきて個性を感じる。今後伸びてきそう。
大技4T+3Aを決めての2位でモチベーションガンガン上がってそうな羽生くん、不調でも雰囲気がグッと精悍になって大変革の予感がする宇野くんもいるし、男子はますます群雄割拠の様相かな。

悔しい思いを抱えて静かに前を向く姿、出し切った後の清々しい笑顔、難しい技術に挑戦する向上心、表現に向き合って自分を磨く心。
それぞれの色んなあり方を見せてもらえて、色々あったけどなんだか自分も頑張らんとと思わせられる世界選手権でした。

彼等のように努力して努力して、狙いを定めてめちゃめちゃ自分を磨いてそれでも壁にぶつかったりして、心から喜んだり泣いて悔しがったりするような、それ程の追い込み方を自分は一度でもした事があるのかって思うと…、ホント眩しい。

こっちは画面の前でのほほんと観てて、勝手に期待して勝手に楽しみにしてこれからもっと強くなるだろうな〜なんて思ってたりして、あ、なんか自分が暢気過ぎて申し訳なくなってきた。
自分も。自分も頑張ろう!

とりあえず、怪我や病気を抱えてる選手は、皆さん早くしっかり良くなりますように。🙏