はてはてマーチ

好きなプログラムを好きなだけ語る場所

町田樹 Don’t Stop Me Now / アランフェス

2014年ソチオリンピック
エキシビション「Don’t Stop Me Now」

町田樹さんと言えば荘厳な作品のイメージも強いけど、2014年ソチオリンピックエキシビションで使われたクイーンの「Don’t Stop Me Now」(ドンスト)はひたすら楽しいプログラムでした!
何シーズンか前のエキシビションナンバーだったなと思って調べたら2011年にはもう使ってたみたいです。

自分にとっての町田さんの印象は、緻密に真摯に表現を考え抜いて演じる人なんですが、これプラス、観客を魅せる事に心を砕くエンターテイナーな人だなってこのプログラム観るとすごく思う。

遊び心満載で、サービス精神旺盛で、その魅せ方が楽しい。
サービス精神と言うか、なんだろう、献身的、なのかな。
プログラムと観客に対して。

献身っていうとちょっと重々しくなる感じあるけど、特にここでは人を楽しませる事に重点があって、力まず構えず見られてひたすら楽しい!
コミカルな要素って天性のものに左右されると思うけど、町田くんのコミカル要素ってホントに町田くんにしか出せない不思議な味わいだなあって思う。

観客を物語に誘う導入部から、展開ークライマックスー締めまできっちり作り込んでる。起承転結がしっかりしてるからスッと世界に入り込めるのかな。あんな短時間のプログラムなのに!

まず、リンクへの登場シーンからもう町田劇場。

モサッとした髪型と黒縁眼鏡、柄セーターにスラックスに赤いマフラーという、ちょっと冴えない、どこにでも居そうな真面目な青年の出で立ち。両手をポケットに突っ込んで眉根を寄せて、俯き加減に現れる。

伏し目がちのまま音楽に合わせてスーッと滑り出し、だんだん動きが大きくのってくる。テンポが変わる直前で赤いマフラーと黒縁眼鏡をはずしそっとリンク端に置くんだけど、投げるんじゃなくてそっと置く所がまたなんかイイ!

そしてアップテンポからの突然のギアチェンジ!
視線がすっと上向きになって、ロックな曲に入り込んで元気に踊りまくる青年になる。
ギターソロのパート、スライディングエアギターは何度観ても爽・快!!!!

最後またマフラーと眼鏡を装着して静かに終わるんだけど、寒そうに身を縮ませながらも空を眩しそうに見上げる場面で終わるのが、なんか余韻があっていいんですよー。

2011年の日本でやった、最初から会場もノリノリ町田くんもノリノリな演技も文句なしに楽しいんだけど、ソチオリンピックでの、なんだろう?って最初は様子見っぽかったロシアの観客達が、途中からぐんぐんハマってどんどん盛り上がっていったあの時のもまた楽しい。

ソチではその後のご挨拶でも眼鏡の弦をいちいちクイってしながら挨拶するの。キャラ継続中。面白過ぎる。演技が徹底してて、もはや素が分からない。

リンクに入った瞬間から完全に去るまでが町田君にとっての作品タイムなんだな。2011年のと比べてみるとソチ版はキャラの作り込み方が相当細かくなってるのが分かって面白いです(笑)。

Don’t Stop me Now 2011年

20110724 TM - YouTube

2012年 エキシビション
アランフェス協奏曲

エンターテイナーな町田くんと言えば。
2012年に演じられた「アランフェス協奏曲」もエンターテイナー振りが見事で好き!(こっちは動画で拝見)

確かこれ「侍アランフェス」とも呼ばれてたけど、なんでそんな呼び名かは観たらすぐ分かる。もしも万が一観た事がない方がいたら観てほしい!独特のクセになるすごく楽しいプログラムでした!

途中、ジャッジ前でのアピールで写楽の浮世絵とかにありそうなキメポーズがあったんだけど、これが表情も含めてすごく好き。コミカルだけど品があってすごくイイ!
イキイキしてて、観る人を楽しませる事だけを考えてるような演技。
やっぱり献身的って言葉が浮かぶんだなあ。
本当に四六時中フィギュアスケートの事を考えてるんじゃないかなってくらい、フィギュアスケートが大好きな人なんだろうなっていうのが演技から伝わってくる。

プロスケーターの活動も来月10月のアイスショーで引退だそうですが、フィギュアスケートの研究者としてきっとこれからもスケート愛を貫いてくんだろうな。これからの末永い活躍も楽しみにしてます!

2012年 ジャパンスーパーチャレンジ

町田樹 Tatsuki Machida JSC2012 - YouTube

 

スケートが楽しい by高橋大輔

スケートが楽しい。
楽し過ぎて罪悪感を感じる程。
こんなに楽しいのは10年振りくらい。
(現役復帰の高橋大輔「自分の軸はスケート」:2018年9月4日付日経新聞の記事より抜粋)

!!!!!!!!!

聞きましたか!聞きましたか!!!

てゆうか読みましたか!
日経さんの記事を!
高橋大輔さんが語ったというあの言葉達を!

あの!高橋大輔くんが!!!!

かつてスケート靴持たずにアメリカ行っちゃった高橋君が!!!

スケートが楽しいって!!!!!!!!
最高のパフォーマンスを見せたいって!!!!

仰っておりますーーーーーー!!!

うわああああああああああああああん😭😭😭😭😭😭

待ってた待ってた待ってたよ〜〜〜〜〜〜〜
心から
自然と
そう思ってくれる日を、
ずっとずっとずっとずっと待ってたんだ〜〜〜〜〜〜〜〜
うわああああああああああああああ!!!!!!

本気でスケートに戻るって決めてくれたのも嬉しかったけど、始まってみなけりゃまだ分かんなかったんだ。
ただその気になってるのが嬉しかった。
その覚悟が眩しかった。

それがトレーニング始めて
本格的にスケートの練習漬けになって
年齢的にも体力的にも順調ばかりじゃないの道のりの中で、こんな気持ちでスケートを語ってくれるなんて。
こんなの、こんなの、

待ってたんだよ〜〜〜〜〜〜〜
ずっと勝手に待ってたんだよ〜〜〜〜〜〜

失わなかった!
失わずにすんだ!

私が大好きな高橋大輔の才能はいっぱいあるけど、やっぱり一番はスケートが楽しいって思ってる事なんだよおおおおお!!!

いつかそうなってくれたらいいなって思ってたけど
戻って来た戻って来た戻って来たーーーーーーー!!!!!

この嬉しさをどこにどこにぶつければ良いんですかーーーーーーー!!!!
抱えきれませんーーーー!!!!!

 

高橋大輔さんファンの方以外には大変意味の分かり難い文章構成になっているような気がしますが、こんな壊れた喜びの咽び泣きをしているのは、下記リンクの記事のせい。ってゆうか高橋君のせい。

高橋選手の現在の状況の取材記事です。

www.nikkei.com

高橋大輔 沼への道 step14 ビートルズ

ソチオリンピックシーズン
フリー ビートルズメドレー

大好きなビートルズメドレー。
スケートアメリカのもソチオリンピックも大切な思い出だけど、ここでは全日本について。

あの日高橋選手が見せていた表情には心がキリキリ痛んだけど、自分がどれだけ高橋大輔という人を応援しているのか、心底実感した時でした。(何度目?)

2013年全日本フィギュアスケート選手権

あのですね。
これはフィギュアスケートですよね。
台詞がある演劇とかじゃない訳だ。
身体表現というのは、喜怒哀楽を表しはしても、台詞を伝えるものではないですよね???

それが
ごめんねとか
ありがとうとか
ましてや、さよならとか

そんなものがフィギュアスケートで伝わって来るって
どうゆうこと????

選曲の歌のメッセージにあるとかじゃなくて!
その時のその瞬間だけの高橋選手の言葉がはっきりきっぱり言葉になって伝わって来た。

感謝の気持ちというのだけはもともと振付の要素としてあって、それは今までも伝わってたけど、それは大まかな感謝という感情だった。
この全日本では明確に「今までありがとう」ってフレーズになってた。

今まで応援してくれてありがとう。期待に応えられなくてごめん。ありがとう、さようなら。って。

ま、待って下さい!!!

ってゆうか、何がどうしたらそうなるの????
フィギュアスケート観てて演技からそんな声が聞こえたのは初めてだった。
幻聴にしてはやけにハッキリとした、でも明らかに妄想です妄想ですとも!
自分だけの妄想だと。思ってたんですよ!!!

でも!!!
あの人もこの人も聞こえたって言うんだ。グレゴリ青山さんも言ってた!漫画の中で言ってた!(すみません、急に引き合いに出して)
色んな人が聞こえたって言うの!おんなじ言葉が!!!!
なんでやねん💢💢

逆切れしてるのは、辛かったからだ。その言葉を聞くのが。

「ごめん」も「ありがとう」も、頼むから止めてくれって、泣きながら思ってた。ましてやサヨナラなんて絶対に聞きたくない。勝手に妄想で聞いといて勝手に聞きたくないとか何様じゃ!!でもごめん、勝手に聞いといて勝手に聞きたくない。ああホントに何様だ…。
苦しくてやるせなくて、でも、高橋選手の発する全部を一つ残らず絶対見逃すまいと、涙ですぐぼやける視界を必死にクリアにしながら、食い入るように見ていた。美しかった。悲かった。でも美しかった本当に。

その時の背景にあったもの、それはそれとして。
演技としてプログラムとして、やっぱりとてつもなく美しかったんだ。

諦めてなかった。表現する事を。スケートで伝える事を。最後の最後まで届いていたよ。
怪我でも頑張ったなんて、そんな理由じゃない。あなたから伝わる世界観の美しさに感動したんです。プログラムを、音楽を、絶対に手放さない。伸びやかで外へ外へと解き放たれるような本当に美しいスケートだった。
掌から血が流れていても、苦しくなるくらい優しいスケートだった。キラキラした瞳と笑顔で天に捧げるような祈りのような踊りだった。

あんなに望んでいたソチへの切符を諦めかけていたんなら、きっととてつもなく落ち込んでいただろうに、その瞬間に観客へ気持ちを届ける事に、自分のスケートで魅せる事に全力を傾けてくれた。
TVのこっち側で観ていても、彼の届けよう届けたいという気持ちが染み渡るように入って来て、嬉しくて苦しくて切なくてどうしようもなかった。

そうだ、こんな人なんだ。自分だけに関する事なら不安も弱さも隠さないけど、上手く行かなかった時は全部自分のせいにして、まっ先に表すのは周りへの感謝の気持ちなんだ。

そんなの…そんなの…

好き過ぎて苦しいんじゃーーー!!!


おかしいじゃん!

演技が素敵だから楽しいからカッコイイから好きなんだと思ってた。
楽しくなったり高揚したり心が震えたり、想像を超えた世界を何度も体感させてもらえるのが嬉しくて楽しくて驚かされてばっかりで、だからだから好きなんだ。エンターテイメントとしてアートとしてそれを妥協なく競技で魅せてくれる演技者として大好きで、その姿勢にも惹かれてたし尊敬した!してる!生き方もカッコイイと思うアスリートとして、演技者として、ただ楽しく活躍を見てたんだよ。それが!
好き過ぎて苦しいって!!!なにごとですか???恋ですか!!!!!!!

と混乱したまま次の日の代表発表の時間を迎える。

オリンピック代表発表

発表の瞬間は冷静に洗濯物なぞ畳む振りをしつつ、ほとんどフリーズした状態で画面に釘付け。委員長だか何だかのエライらしいおじさんが出て来てからは、ただ拳を握りしめてた。

ほんの一ヶ月半前のNHK杯では4回転ジャンプも決めて貫禄の復活優勝だった。この時出したシーズンベストスコアは世界3位だ。世界ランキングも3位。グランプリシリーズの上位6人だけが選ばれるグランプリファイナルへの出場も決まっていた。

それがファイナルの直前に古傷に近い箇所を怪我して欠場し、治り切らないまま全日本に無理に出場しての結果が振るわなかっただけで…。

その全日本のプログラムも最後の瞬間まで美しかった。プログラムの真髄を魅せる力。どんな身体の状態でも高橋は高橋だって思わせる演技を見せてくれた。改めて自分がどんなにこの人のスケートが好きなのか思い知らされた。
それでも最終順位は5位。

このソチの時は、全日本選手権出場はオリンピック代表者選考の絶対条件だった。
怪我を押しての無理矢理な試合の結果で、それまで重ねてきた好成績が無になる事はないとしても、全日本の結果はどこまで重要視されるのか。
(※3枠目の選考で基準となるポイントでは、シーズンベストスコア、世界ランクの二つで高橋くんがリード、もう一つの基準、全日本の結果ではビハインド)

高橋くんに行ってほしい、でも他の選手も頑張って来た、みんな素敵な選手なんだ、けど高橋くんに行ってほしい、でも他の人だって、でもやっぱり高橋くんに…ってグルグル。

順当に読み上げられた上位2名を読んだ後の3枠目、画面に大写しになったおじさんはなかなか次を読み上げない。

おっちゃん溜めるのヤメテーー!!!知らないだろうけどコッチは息詰めて待ってんの、タメが長引くと窒息するからヤメテーー!!!いや、やっぱりもうちょっと待って、心の準備するからもうちょっと待って!!!
とその数秒(もなかったかも)、支離滅裂になりながらカチコチに固まってたらついに発表。

 

瞬間、ダダ泣きしてしまった。

え?泣くの???って思った。
代表発表で?周りに家族いますけど?この勢いで泣くのか自分???って思ったんだけど止められない。
安堵と喜びとなんか色々な想いと、ないまぜになって訳が分からなかった。

側にいた家族だってそりゃ戸惑いますわ。
良かったねぇなんて優しく声をかけてもらっても、うっかり声を出したら嗚咽になりそうで頭ブンブン振るしかない。しかも、一旦安堵したら選ばれなかった人への思いも入って来て、首の振り方が縦なんだか横なんだかもう意味不明過ぎる。その節はすみませんでした…と心の中で今謝っておく。

驚いた自分に。そこまでかって。
もうちょっとドライな人間だと思ってたのにとんだ勘違い。いくつになっても自分の事なんて把握できないものだなあ。

既に結構しっかり沼に浸かったつもりでいたんだけど、いやはやもう。この時に更に落ちたのか、既に落ちていたのを突然自覚しただけなのかは分からないけど、とにかく沼の深さが自分の想定外に来てしまった。(でもホントの沼はここからだ…)

ソチオリンピック

その後のソチオリンピックビートルズについては、語りたい、けど語れない。

何だろう、大好きで大切なプログラムな事は同じでも、二通りあって。

とにかく言葉にしたい
この思いを何とかして欠片でも誰かに伝えたい、伝わらないとしても何かが伝わるかも知れないならベストを尽くしたい、全部は言えないけどちょっとでも気持ちを明確にして出してみたい、という時と。

何となく言葉にしたくない
言葉にする事で何か大切なものをうっかり切り捨てたり見失ったりするのが怖くて、自分の中でもフワフワ・ホワホワしたまま整理をつけずにそのまんま境界線もないような状態でほわ〜っと置いておきたい、って思う時と。

ソチオリンピックの演技はいまのところ後者。

でも人が語ってくれるのを聞くのは大好きです。
安藤美姫ちゃんが、8月8日に放映された「戦え!スポーツ内閣」で熱く語っていたのも嬉しかった!

何かの折にふと見たくなる、でも普段は大事に鍵かけてしまっておく、そんな不思議な宝物みたいな演技だ。

そろそろまたちゃんと見たくなるような予感がするなあ。