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好きなプログラムを好きなだけ語る場所

高橋大輔 沼への道 step14 ビートルズ

ソチオリンピックシーズン
フリー ビートルズメドレー

大好きなビートルズメドレー。
スケートアメリカのもソチオリンピックも大切な思い出だけど、ここでは全日本について。

あの日高橋選手が見せていた表情には心がキリキリ痛んだけど、自分がどれだけ高橋大輔という人を応援しているのか、心底実感した時でした。(何度目?)

2013年全日本フィギュアスケート選手権

あのですね。
これはフィギュアスケートですよね。
台詞がある演劇とかじゃない訳だ。
身体表現というのは、喜怒哀楽を表しはしても、台詞を伝えるものではないですよね???

それが
ごめんねとか
ありがとうとか
ましてや、さよならとか

そんなものがフィギュアスケートで伝わって来るって
どうゆうこと????

選曲の歌のメッセージにあるとかじゃなくて!
その時のその瞬間だけの高橋選手の言葉がはっきりきっぱり言葉になって伝わって来た。

感謝の気持ちというのだけはもともと振付の要素としてあって、それは今までも伝わってたけど、それは大まかな感謝という感情だった。
この全日本では明確に「今までありがとう」ってフレーズになってた。

今まで応援してくれてありがとう。期待に応えられなくてごめん。ありがとう、さようなら。って。

ま、待って下さい!!!

ってゆうか、何がどうしたらそうなるの????
フィギュアスケート観てて演技からそんな声が聞こえたのは初めてだった。
幻聴にしてはやけにハッキリとした、でも明らかに妄想です妄想ですとも!
自分だけの妄想だと。思ってたんですよ!!!

でも!!!
あの人もこの人も聞こえたって言うんだ。グレゴリ青山さんも言ってた!漫画の中で言ってた!(すみません、急に引き合いに出して)
色んな人が聞こえたって言うの!おんなじ言葉が!!!!
なんでやねん💢💢

逆切れしてるのは、辛かったからだ。その言葉を聞くのが。

「ごめん」も「ありがとう」も、頼むから止めてくれって、泣きながら思ってた。ましてやサヨナラなんて絶対に聞きたくない。勝手に妄想で聞いといて勝手に聞きたくないとか何様じゃ!!でもごめん、勝手に聞いといて勝手に聞きたくない。ああホントに何様だ…。
苦しくてやるせなくて、でも、高橋選手の発する全部を一つ残らず絶対見逃すまいと、涙ですぐぼやける視界を必死にクリアにしながら、食い入るように見ていた。美しかった。悲かった。でも美しかった本当に。

その時の背景にあったもの、それはそれとして。
演技としてプログラムとして、やっぱりとてつもなく美しかったんだ。

諦めてなかった。表現する事を。スケートで伝える事を。最後の最後まで届いていたよ。
怪我でも頑張ったなんて、そんな理由じゃない。あなたから伝わる世界観の美しさに感動したんです。プログラムを、音楽を、絶対に手放さない。伸びやかで外へ外へと解き放たれるような本当に美しいスケートだった。
掌から血が流れていても、苦しくなるくらい優しいスケートだった。キラキラした瞳と笑顔で天に捧げるような祈りのような踊りだった。

あんなに望んでいたソチへの切符を諦めかけていたんなら、きっととてつもなく落ち込んでいただろうに、その瞬間に観客へ気持ちを届ける事に、自分のスケートで魅せる事に全力を傾けてくれた。
TVのこっち側で観ていても、彼の届けよう届けたいという気持ちが染み渡るように入って来て、嬉しくて苦しくて切なくてどうしようもなかった。

そうだ、こんな人なんだ。自分だけに関する事なら不安も弱さも隠さないけど、上手く行かなかった時は全部自分のせいにして、まっ先に表すのは周りへの感謝の気持ちなんだ。

そんなの…そんなの…

好き過ぎて苦しいんじゃーーー!!!


おかしいじゃん!

演技が素敵だから楽しいからカッコイイから好きなんだと思ってた。
楽しくなったり高揚したり心が震えたり、想像を超えた世界を何度も体感させてもらえるのが嬉しくて楽しくて驚かされてばっかりで、だからだから好きなんだ。エンターテイメントとしてアートとしてそれを妥協なく競技で魅せてくれる演技者として大好きで、その姿勢にも惹かれてたし尊敬した!してる!生き方もカッコイイと思うアスリートとして、演技者として、ただ楽しく活躍を見てたんだよ。それが!
好き過ぎて苦しいって!!!なにごとですか???恋ですか!!!!!!!

と混乱したまま次の日の代表発表の時間を迎える。

オリンピック代表発表

発表の瞬間は冷静に洗濯物なぞ畳む振りをしつつ、ほとんどフリーズした状態で画面に釘付け。委員長だか何だかのエライらしいおじさんが出て来てからは、ただ拳を握りしめてた。

ほんの一ヶ月半前のNHK杯では4回転ジャンプも決めて貫禄の復活優勝だった。この時出したシーズンベストスコアは世界3位だ。世界ランキングも3位。グランプリシリーズの上位6人だけが選ばれるグランプリファイナルへの出場も決まっていた。

それがファイナルの直前に古傷に近い箇所を怪我して欠場し、治り切らないまま全日本に無理に出場しての結果が振るわなかっただけで…。

その全日本のプログラムも最後の瞬間まで美しかった。プログラムの真髄を魅せる力。どんな身体の状態でも高橋は高橋だって思わせる演技を見せてくれた。改めて自分がどんなにこの人のスケートが好きなのか思い知らされた。
それでも最終順位は5位。

このソチの時は、全日本選手権出場はオリンピック代表者選考の絶対条件だった。
怪我を押しての無理矢理な試合の結果で、それまで重ねてきた好成績が無になる事はないとしても、全日本の結果はどこまで重要視されるのか。
(※3枠目の選考で基準となるポイントでは、シーズンベストスコア、世界ランクの二つで高橋くんがリード、もう一つの基準、全日本の結果ではビハインド)

高橋くんに行ってほしい、でも他の選手も頑張って来た、みんな素敵な選手なんだ、けど高橋くんに行ってほしい、でも他の人だって、でもやっぱり高橋くんに…ってグルグル。

順当に読み上げられた上位2名を読んだ後の3枠目、画面に大写しになったおじさんはなかなか次を読み上げない。

おっちゃん溜めるのヤメテーー!!!知らないだろうけどコッチは息詰めて待ってんの、タメが長引くと窒息するからヤメテーー!!!いや、やっぱりもうちょっと待って、心の準備するからもうちょっと待って!!!
とその数秒(もなかったかも)、支離滅裂になりながらカチコチに固まってたらついに発表。

 

瞬間、ダダ泣きしてしまった。

え?泣くの???って思った。
代表発表で?周りに家族いますけど?この勢いで泣くのか自分???って思ったんだけど止められない。
安堵と喜びとなんか色々な想いと、ないまぜになって訳が分からなかった。

側にいた家族だってそりゃ戸惑いますわ。
良かったねぇなんて優しく声をかけてもらっても、うっかり声を出したら嗚咽になりそうで頭ブンブン振るしかない。しかも、一旦安堵したら選ばれなかった人への思いも入って来て、首の振り方が縦なんだか横なんだかもう意味不明過ぎる。その節はすみませんでした…と心の中で今謝っておく。

驚いた自分に。そこまでかって。
もうちょっとドライな人間だと思ってたのにとんだ勘違い。いくつになっても自分の事なんて把握できないものだなあ。

既に結構しっかり沼に浸かったつもりでいたんだけど、いやはやもう。この時に更に落ちたのか、既に落ちていたのを突然自覚しただけなのかは分からないけど、とにかく沼の深さが自分の想定外に来てしまった。(でもホントの沼はここからだ…)

ソチオリンピック

その後のソチオリンピックビートルズについては、語りたい、けど語れない。

何だろう、大好きで大切なプログラムな事は同じでも、二通りあって。

とにかく言葉にしたい
この思いを何とかして欠片でも誰かに伝えたい、伝わらないとしても何かが伝わるかも知れないならベストを尽くしたい、全部は言えないけどちょっとでも気持ちを明確にして出してみたい、という時と。

何となく言葉にしたくない
言葉にする事で何か大切なものをうっかり切り捨てたり見失ったりするのが怖くて、自分の中でもフワフワ・ホワホワしたまま整理をつけずにそのまんま境界線もないような状態でほわ〜っと置いておきたい、って思う時と。

ソチオリンピックの演技はいまのところ後者。

でも人が語ってくれるのを聞くのは大好きです。
安藤美姫ちゃんが、8月8日に放映された「戦え!スポーツ内閣」で熱く語っていたのも嬉しかった!

何かの折にふと見たくなる、でも普段は大事に鍵かけてしまっておく、そんな不思議な宝物みたいな演技だ。

そろそろまたちゃんと見たくなるような予感がするなあ。