2008年メダリストオンアイス 鈴木明子リベルタンゴ
現在フィギュアスケートの過去映像を振返り中で、自分の頭の中のフィギュア史が2008〜10年辺りをさまよってます。今回は08年アッコちゃん。
08-09年シーズンは実はあまりフィギュアスケートを見ていなくて、でも全日本フィギュアのエキシビションであるメダリストオンアイスだけは見ていたらしい。
そしてこのリベルタンゴに出会う。
見といて良かった!TVだけど。
鈴木明子という存在を知ったのはこの時が初めて。顔も名前も知らなかった。タンゴで踊る身体の動きだけで一気に魅せられた。
冒頭、肩を揺らせてゆっくり振返る、その目の本気度にまず引きつけられる。そこから体を低く構えてゆったりと滑り出すその姿勢が普通じゃないほど格好良くて、たちまち目が釘付けに。
女性の美しさや妖艶さをストレートに表すなら通常こんな振付にはならないんじゃないかな。まるで猛禽類の鳥が獲物に襲いかかろうと飛び立つ時のような迫力で、その時に翻る黒いスカートの裏地の真っ赤な色にドキッとする。
貫禄さえ感じるゆったりと見せつけるように誘う前半から、後半の速いステップへの盛り上りが気持ち良い。息をつかせない勢いで、しなやかに力強くステップが踏まれていって、観ている自分もどんどん感情が昂る。
照明で白く浮かび上がる指先が、柔らかくしなったり鋭く空気を裂いたり、妖しく自在に空気を操る。スゴイ。魔性!
あっという間に終わってしまった。格好良かった!
色っぽいとかセクシーとかいうのとはまた違う、あっこちゃんの演じる女性は、妖しさはあるけど芯の強いカッコイイ女性って感じがする。
強くて自立した隙を見せないカッコイイ女性だ。
それがこのリベルタンゴにピッタリ合う。
後年のキルビルの時も思ったけど、鈴木選手の重心を下げた低い体勢って、すごく安定してる。体の芯がしっかりしているのかな。彼女の表すものに、いつもどこか芯の強さを感じるのは、このせいもあるかも知れない。肩から指先にかけて自由に動くしなやかさと相まってすごく格好良い!
振付は宮本賢二さん。これも素晴らしい振付。
実況アナウンサーによれば、高橋くんのリクエストもあってのタンゴだったらしい。そう言えば高橋くん、あっこちゃんのタンゴの振付が好き過ぎて全部覚えたとその後何かで話していた記憶がある。確かにタンゴが似合う。リベルタンゴが鈴木明子なのか、鈴木明子がリベルタンゴなのか、分からなくなってくるくらい似合ってる。強い!
出会いの08年全日本エキシビション
Akiko Suzuki 2008 MOI - Libertango - YouTube
2014年のフレンズオンアイスで、この曲を二人で演じてくれた時は興奮した。ユニゾンステップは特に痺れたなあ。
丁々発止の闘いのようなプログラムだった。この二人でやったらそりゃそうなるかと納得した記憶。素敵でした。
これについてもいつか書きたい。
(追記:書きました ↓)