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「高橋大輔」を好きなだけ語るブログ

ネイサン・チェン 世界フィギュア2021 フリー

ネイサン・チェン 2020-2021 FS
Philip Glass Selections (Metamorphosis II, Violin Concerto I, Truman Sleeps)

なんですかこれ!人はこんな領域に行けるものなの????

4回転ジャンプの美しさとかその数とかじゃなくて、あれだけの高難度なジャンプを完璧に決めた上で、あんなにずっと端正に、その上情熱的に、一瞬の隙もなく動けるものなの????

なんじゃこれはーーーー!!!!

磁石で引き付けられるみたいに目が離せなくて、ネイサンを見る以外の事が何も出来ないし考えられなかった。スゴイもん見た。

そして、あの、ネイサンの演技時間、極端に短かった???時間的にこれから後半かなって思ったくらいでもう終わったんですが。もっと見たい!もっと見せて!!!てか、ずっと滑ってて!!!(鬼か)

今年の世界選手権男子フリー、ネイサンがイイぞってのは聞いてたのです。自分は録画の失敗もあったりで、だいぶ後からフジさんのアーカイブで見たので、沢山の人がザワザワとネイサンが素晴らしかったって言ってるのは、先に知ってたのです。
でもあんまり前情報で素晴らしいって聞いちゃうと、期待が高まり過ぎてあれ?ってなる事もあるじゃないですか。全然ですよ!最高期待値の遥か上ですよ!ネイサン!

振付はシェイ=リーン・ボーン。さすがの振付け。

ネイサンって、手足も長くて顔も小さくて容姿がシュッとして見える上に、腕や足の捌き方がとても美しい。そこも魅力だけど、なんと言ってもネイサンの背中が私は好きです。背中と言うか肩なのか。肩甲骨かな。とにかくあの辺!
動きの全てにキリッとした品があるのは、どんな動きの時もそこの芯がスッとしててブレないから、なのかな。ネイサンの凛とした良さが最高潮で発揮されてて、もう眼福極まりない。

平昌五輪の頃は、フリーで4回転6本挑戦とかしてて、こんなに高難度ジャンプに集中しなければもっと動きの美しさを堪能できる人なのに〜、とちょっと惜しむ気持ちが実はあったんですが、今回は5本クワドを入れて最後まで隙のない美とあのエネルギー。
点数のためとか感じさせない、プログラムの表現に必要なものとして入る技術。(いや、点数の為だろうけど。)そう思わせるような自然で完全な美しさ。 そして、クールに完璧にプログラムを進めた彼が、最後のコレオで見せたパッションは、見てるだけのこっちの体温も上がりました!

ブ・ラ・ボーーーーー!!!

 

今回の男子フリーはネイサンがとんでもなくブッ飛んでたけど、トップグループ皆スゴイ見応えでした。
この一年は新型感染症Covid-19の影響で、選手は皆それぞれに大変な状況だったはず。
その中で選手達は、きっと内面的にも色んなことを積み重ねてきたのかなって、外野の勝手な憶測の感想だけど思う。これまでの印象が変わった選手もいる。

この一年で積まれた内面の深さが、それぞれにスケートに出てるのかな。点数には表れなくても、心に届いてくるものが沢山あったりする。そこが自分にとってのフィギュアスケート観戦の面白さでもあるのかも。知子ちゃんのトスカとか、ハンヤンとか。
ハンヤンはこの1年だけじゃなく、長く色んな難しい事があったんだと思うけど、本当に深みのある艶やかなスケートをする人になったなあ。色んな辛さを乗り越えて、人間が大きくなる様子をまざまざと見せてもらってる。スゴイ…。

ネイサンも、この1年アジア人ヘイトが表出したアメリカの地で、中国系移民のアメリカ人として、色んなことを思ったんだろう。自身のことよりご両親を心配してた。公園に散歩に行くのさえ心配する状況って…。

それでも選手達は、今自分に出来ることを見て、前向きに取り組んで、成長の跡を演技で見せてくれる。彼らの成長っぷりに比べて…と思わず我が身を振り返って縮こまっちゃうけど、縮こまってる場合ではない!頑張らないとーーーーー!