はてはてマーチ

「高橋大輔」を好きなだけ語るブログ

アキレアの橋と冬の詩と高橋大輔選手

アキレアの橋(BSフジ)

「アキレアの橋」は、柔道の野村忠宏さんがプレゼンターの、アスリートを密着紹介するBSの番組。2019年2月3日放送分のゲストが高橋大輔さんでした。
その録画を、やっと、やっと観られたー!
噂通りで期待以上の素敵な番組でした。

つくりとしては、高橋大輔選手の競技復帰をシーズン前の練習から丹念に追ったドキュメンタリーを、全日本を終えたご本人と一緒に観つつ、野村さんが話を聞いていくというスタイル。
高橋くんこの番組への出演は2回目で、1回目は復帰をまだ全然考えてなかったという2017年9月(1年半前)。

1回目の時の話との対比も感慨深かったし、丁寧な取材も、長光歌子コーチへのインタビューも、野村さんの敬意のある進行も、二人の楽しげなやり取りも、全部イイ!

西日本大会でのフリー”Pale Green Ghosts”をノーカットで撮れたのも嬉しい!
ドキュメンタリーに挿れる試合映像って、割とカットされてたり違う映像や語りが被さってたり、プログラムとしてはちゃんと見られない事があるんだけど、ここでは会場の音楽と歓声のみ!完璧な状態で見られました!すっばらしい!
そうなんです、プログラムの隅から隅まで意味があるから、ちょっとでも欠けたらがっかりしちゃうんですよー。試合を追う話で試合をキッチリ見せてくれたのめっちゃ嬉しい。

そしていろいろ深く考えさせられる、盛り沢山な2時間だった。
二人ともトップアスリート同士でスポーツに関しての話だけど、どんな人でも参考に出来るような人生についての話だったなと思う。

スポーツって

昨年はスポーツ界の不祥事がいくつか露見して、問題の原因の一つに勝利至上主義があるんじゃないかと言われたりしてた。
それもあって、スポーツって人間にとって何なんだろうって自分もよく考えた年だった。
で、高橋選手の復帰シーズンを半年見て来て、やっと自分の納得する答えが見つかった気がする。

多分、スポーツの一番大きな意味って、人として成長する事なのかな。
身体的な数値での成長と言うより、もっと広い人間的な心の成育を含む成長。
人生を豊かに生きていくための成長ってゆうか…そんな感じの。
スポーツって、本来その為の手段の一つなんじゃないかなって。
合ってるか分かんないけど、自分にとってはやっと腑に落ちたって感じ。

他者からもらう成績という評価はスポーツの本質ではなくむしろ第二義で、スポーツを通して自分が成長する事が第一義。
番組中の、野村さんと高橋くんの二人の話を聞いても、改めてそう思った。
スポーツに限らず、アートとか表現の全部がきっとそう。たぶん日常での些細な行動も含めて色んな事に言える事かも知れない。

結果がどうでもいいって言いたい訳じゃない。
今、日本でフィギュアスケートがこんなに人気で、TVで色んな試合(まだシングルに限るけど)が見られるのも、たくさんの日本選手達が素晴らしい結果を出してきてメディアに注目されたからだし、自分が高橋くんを知ったのも、彼のあふれる程の情報を享受できるのも、彼が活躍し続けてきたからだ。
高橋くんを含め、素晴らしい結果を出してきてくれてる沢山の選手達に、ホントにホントに感謝してる。

結果(勝負)にこだわる事で成長する時もあるだろうし、良い結果・評価は目指す目標の一つにもなる。指針にもなる。

それでもやっぱり、それで得る評価そのものは二義的な副産物なんだと思う。
やっている選手本人達にとっては、成長こそが本当の収穫で、メダルや評価はそのオマケなんじゃないかな。
選手が良い結果を目指すなら観る側はそれを応援するだけ。でも結果だけを求めたらそれは違うんじゃないか。

高橋くんが家庭画報の取材のこぼれ話で言った「負けたくないというより、今は勝ちたい。それは自分の中では似て非なるもの」って言葉も、そうゆう事なんじゃないかな。
全日本後の「やっぱり結果じゃないんだな」と確認のように呟いた高橋くんのトーンと澄んだ目が、すごく胸に落ちた。

身体的なピークは年齢的に10代20代だったとしても、人間はその先もずっと成長できる。
野村さんが自分の事として言った、「もともとはチャンピオンじゃなきゃダメと思っていた人間」が現役終盤に体が衰えていく中でも「今出来る最高の柔道がしたいっていうのが自分のモチベーションになった」って言葉達も、本当に深く響きました。

そこでちょっと思考が飛んで、引退中の高橋くんの仕事にも通じるかもと思った。
結果より全力で挑む過程での成長が。
逃げたいとか向いてないとか言いながらも、新しい仕事に全力で、その時出来る精一杯をぶつけて取り組んでた。
初めての未知の世界だったダンスの舞台では、自分の理想通りに動けない自分を悔しがりながらも目を輝かせてたし、役を演じるっていうこれまた初めての歌舞伎とのコラボの挑戦も生き生きと取り組んでた。

レポーターやキャスターの仕事は、彼自身の自己評価は低かったみたいだけど、表現者な観点のハッとするような言葉も沢山聞けたし、緊張で手に汗かきながらも誠実に懸命に取り組んでる姿勢は、見てて気持ち良かった。

そこを経てこその今の選択な訳で、高橋くんが自分に下した評価は彼自身の選択の指針になったろうし、人としてすごく深く成長した時期だったんだろうなって思う。全部全力で取り組んでたからこそ。

ところで、スポーツにとって成績としての結果は第二義だと思った時に、そう言えば…って頭に浮かんだ大好きな詩があって。
一部抜粋して引用させて下さい。

「冬の詩」高村光太郎

(前略)
他人よりも自分だ、社会よりも自己だ、外よりも内だ
それを攻めろ、そして信じ切れ
孤独に深入りせよ
自然を忘れるな、自然をたのめ
自然に根ざした孤独はとりもなほさず万人に通ずる道だ
孤独を恐れるな、万人に、わからせようとするな、第二義に生きるな
根のない感激に耽る事を止めよ
素より衆人の口を無視しろ
比較を好む評判記をわらへ
ああ、そして人間を感じろ
愛に生きよ、愛に育て
冬の峻烈の愛を思へ、裸の愛を見よ
(中略)

冬だ、冬だ、何処もかも冬だ
見渡すかぎり冬だ
その中を僕はゆく
たった一人で


◆◆◆

 

これ!
2018年に見た高橋大輔って人そのものじゃないですか…?

社会よりも自己、外よりも内に恃んで、攻めて信じ切った。
万人にわからせようなんて考えてない。(多分)
第二義に生きない。(多分)
根のない感激に耽らない。(そうゆう人だ)
愛に生き、愛に育つ。(絶対そう)
冬をゆく人。
衆人の口も比較を好む評判記も軽やかに飛び越して
(スケート)の峻烈の愛だけを思えばいい!

うおおおおおおおおおおん。
😭😭😭😭😭😭😭😭😭😭😭(妄想旅立ってます〜)

この部分は高村氏が学生達に向けて書いた段落らしいけど、学問だけじゃなく、スポーツ、芸術、いろんな事に通じると思う。
今期の高橋くんの姿を思い起こしながら、改めて座右の銘にしたい言葉です。
人間ってやっぱり一生勉強なんだ。
自分も頑張るぞ。オー!

2014年世界選手権の欠場

ふたたびアキレアの橋に戻って。
前回この番組に出た時に話していた2014年世界選手権欠場について、今回もあらためて話が出た。

あの欠場には後悔があると(高橋くんが)以前言っていたけど、今回の復帰で意味のあるものにしたよね、という野村さんの言葉。
かつてアッコちゃん(鈴木明子選手)に伝えた言葉を今自分がやってるのかな、という高橋くんの言葉。
どっちも嬉しくてじーんとする話だった。

何より「もっとスケートの神様が味方してくれてもいいのに」とあの欠場をやるせないと語ったアッコちゃんの言葉に対して、「あの時出てたらもっと嫌いになってたかも知れないし、欠場になったのはある意味(神様が)味方してくれたのかな」と言った高橋くんに…😭😭😭。
ああそこまで来たんだなあ、すごいなあ、よかったなあって、胸のつかえが取れた気がした。

そしてふと、かつての自分の気持ちを思い出した。

ソチ五輪の後のさいたまでの世界選手権で、「足が痛くてもう頑張れない」と出場を迷っていたあっこちゃんに高橋くんが伝えたと言う、良い演技じゃなくてもファンはどうであれ最後のあっこちゃんのスケートが見たいんだよ、と後押ししたという言葉。
それはとても素敵な話だったし、あっこちゃんにピッタリ当てはまった言葉だったと思う。
そして、そんな言葉をかけた当の高橋くんが怪我の悪化で欠場になり、その後試合をする事なく引退になった事を悲しく思う人も多かったと思う。

でも実は自分は…
もう過去の事だし今の高橋くんが幸せそうだから勝手に時効にして勝手にものすごく自己チューな事を言うけど。

自分は高橋くんの良い演技、もっと言えば「良い結果」が見たかった。あの時のさいたまワールドで。
ドクターストップが出ている足の状態で、ソチ後のなにかが抜け落ちてしまったような高橋くんに、どんな演技でもただ滑ってくれれば良いと思えるファンではなかったです、本当にごめんなさい。
だから欠場を決めてくれてホッとしたし、ストップをかけてくれた歌子先生には心から感謝した。
そんな足の状態になってしまった経緯が辛くて苦しかったけど、そんな状態のせいで実力が発揮できないなら、欠場してほしいって思ってた…。
いやホント勝手ですみません。

でもですね。
「逃げた」と本人は当時を振返って言ったけど、それを逃げと言うんなら、逃げてくれて良かったって今聞いても自分は心からそう思うんですよ。
それを後悔する言葉を聞くのは辛かったけど、それでギリギリあの時の心を守れたんなら、そっちの方がやっぱりずっとありがたいと思ってた。

もちろん、出てたら出てたで素敵な演技になってスッキリしてたかも知れないんだけど…。
多分私がすごく結果にこだわって、悪い想像が先立ってたのかも知れない。
結果が悪くて高橋くんの心が潰れてしまったら嫌だって思って怖かったし、もしそうなってもそれが僕の実力だと言うだろう彼が想像できて、そんなの全然納得できない自分がいて見たくなかった。
いやぁ勝手な想像で勝手に怖がって勝手な事をよくもまあぁぁぁ…。

それが今は、結果が良いとか悪いとか関係なく、高橋くんが自分の意思でスケートしてくれてる事がもう最高にハッピーです。
今の高橋くんのスケートが見られる。それ以上に望む事なんてない。不思議なもんだなあ。

高橋くんが幸せそうかどうか、そこの基準が一番大きいと思うけど、自分の方の心の状態もあるんだろうな。でも我ながら詳細はよく分からない。引退中の4年間の歩みを見せてもらったからかな。

今は本当にどんな結果でも、楽しくてワクワクしててすごく幸せだ。
今後も高橋くんには、自分自身に集中して自身が幸せでいられる道を邁進してもらえたら、それ以上にありがたい事はない。
ああやっぱり冬の詩。

「他人より自分だ、社会よりも自己だ、外よりも内だ
それを攻めろ、そして信じ切れ。」

高村さん良い事言うわ〜(馴れ馴れしい)

そしてそれを体現してくれた高橋大輔さんにはもう…😭😭😭😭😭(言葉がない)

引退から4年後に復帰して、全日本選手権2位という「結果」を残した事が、沢山の人が高橋大輔という人に注目している理由かも知れないし、それはそれでやっぱりなんだか勝手に嬉しい事ではある。
でも、全日本で他の選手達がもっと会心の出来で、高橋くんの順位がもっと下になってたとしても、やっぱり自分には楽しいシーズンだった。そう思う。

色んな事に気づかせてもらった。
人生へのヒントを沢山もらった気がする。
自分も頑張ろうって、漠然とじゃなく、具体的にこうしてみようって思える事がいっぱいある。

言葉だけでいくら言われてもきっとピンとは来ない事。
夏の復帰宣言から、いや、多分もっと前のソチ後の4年間も含めて、高橋くんの今までの生き方から沢山の事を学ばせてもらいました。
本当に本当に本当に
😭😭😭😭😭😭😭😭😭😭😭😭

ありがとうございます!


ここまで書いて、めっちゃタイムリーに家庭画報さんからこぼれ話の続きが来てたの見つけたので、リンクを。
歌子先生からの話で、2014年のさいたまワールド欠場の話が出てます。

www.kateigaho.com
歌子先生は、欠場をすすめたのを「私の中の最大のミスリード」とまで語ってらっしゃいますが、ねえっ!絶対そんな事ないですよっっっ!て一介の外野としては勝手に叫びたい!
心と膝が致命的な傷を負ったかも知れないのを防いでくれた。神様と歌子先生が守ってくれたんじゃないですかああああ!😭😭😭

そのまま引退となって、先生もずっと苦しかったのかな…。
でも意味のあるものに高橋くんがしてくれましたね。
今幸せでいてくれて本当によかった。
高橋くんの復帰は、親孝行ならぬコーチ孝行にもなったんですね。
😭😭😭😭😭😭😭

(ちなみに家庭画報こぼれ話その1はこちら)

www.kateigaho.com

高橋大輔写真集「艶技」感想 続き

2017年5月に歌舞伎×フィギュアスケートの破沙羅を第一弾として開催されたアイスショー「氷艶」。
この「氷艶」のHP https://hyoen.jp が何やらカウントダウンを始められたそうです!
カウントのゼロ地点はどうやら2月25日の朝。
一体何の発表なのか、第二弾がくるのか、多分そうだろうけど、内容が全く読めない。とにかくソワソワして落ち着かない!落ち着かぬ!落ち着かねば!

そんな中、氷艶写真集ならぬ、高橋大輔写真集「艶技」氷艶2017の感想のつづきです。
落ち着かぬならいっそどんどん煽ってしまえ!(自分を)

今回は最初にまとめから。

写真集ってイイ!

艶技の感想はひたすらこれに尽きます❤️
毎日実感してます。
写真集ってスバラシイ!!

良い所はいっぱいあるけど、まず毎日ちょびっとずつでも見られるのが嬉しい。
そう毎日。毎日「艶技」を見られる。
なんて幸せなんだろう😭しみじみ。

本を開けてない時も、義経様が家にいるんだ〜って思うだけで、めっちゃめちゃ幸せ!

しっかりした装丁で紙質も良く重厚感があって細部まで綺麗に見える。
大好きな絵本が家にある感覚と似てるかも。
TVの録画とかネットの画像とか雑誌のカットとは違う存在感。

この絵本的な感覚は、「艶技」が高橋大輔の写真集というよりは、氷艶・破沙羅という一つのストーリーを演じた役の写真集だったからって事もあるのかも知れない。

この「艶技」は氷艶全体の写真集ではなくて、あれだけ多い登場人物がいる演目の、高橋くんが演じた役柄だけを切り取った写真集。
でもパーツが全部揃ってなくても、もしかしたら揃ってないからこそなのか、スゴイ勢いで自分の中の破沙羅の空間が甦る感じがあって、じーんと泣きそうになるくらい浸れるんです…。

とは言え、
まだまだあり余る氷艶・破沙羅の美しい写真達があるはずだ!
氷艶の義経様は、ほぼ常に人に囲まれ中心にいた人だもの。
一人だけで映ってる写真の方がむしろ珍しいはずじゃないのかね。
ほら、あんな場面とか、こんな場面とか。とか!

絶対に絶対に、他の登場人物達、弾正殿や岩長姫や弁慶さんや蛸さんズ(歌舞伎方の皆さん)、DRUM TAOの皆さん、チームラボのプロジェクションマッピングなど、フィギュアスケート方だけじゃない写真が入った氷艶・破沙羅の写真達も、いっぱいあるはず。そしていつかドドンっと世に出てくれるはず。はず!
と勝手に思い込んで、まずは第一弾の義経様写真集を思う存分堪能してます。(※思い込みは激しい方です)

色彩

さて、何回見てもその度に新鮮に美しい義経様の煌びやかさ✨
この高橋くん演じる源義経が殊更くっきり色鮮やかに写ってるのは、義経様が己の美で内側から発光✨してるからなんだけど、他の理由としては、背景が基本的に暗い上に色味がぐっと抑えられてて、人物以外がほとんどモノクロームだって事もあるんだな。
と何回か見返して気がついた。
印象的だったチームラボの艶やかなプロジェクションマッピングの色が極力抑えられてるか、全く映されてない。
これはなんか他にも理由があるんだろうけど、これで色彩が人物に集中してより浮き上がって見えるんですね。

背景の空間のと氷のリンクの。光の角度で伸びる影のグラーデーション。
このモノトーンの世界に鮮やかな人物がパッと浮かび上がるの。

このメリハリ!

義経様の衣装が、これまためちゃめちゃやかな色で。
華やかだけどあれ、すっごい色の取り合わせだなとも思う。
着物の世界では普通なんでしょうか?尋常ならざる色数じゃないですか?
あんなに各々に個性のある違った色を一緒にして美しく魅せるのって…、しかも下半身にあれだけガチャガチャと色を持ってくるって…いやあ…自分には絶対できない。

サイケデリックな色使いにも思えるのに、どっからみても高貴な品格のある衣装です。デザインする人がスゴイんだけど、あれを手懐けられる義経様の華、ホント凄い…。
恐るべし義経様、さすが美の化身。あ、善の化身か。
何しろあの目立つ艶やか衣装を、上回って有り余る義経様本人の圧倒的存在感!これがスターって事か✨

赤い衣装を纏った静御前と二人で舞う写真達も、二人のゴージャスな色彩がとっても艶やかで大好きです。
しかもあの色彩に加えて、…加えてと言うかそれよりも何よりも、義経様の表情が、もう、ね…。

うあああああぁぁぁぁ…。
ああああぁぁぁぁぁ…。

そうか岩長ちゃん、義経の嘆く様を見たかったのに、いきなりこの表情を見せられちゃったのか。そりゃ思わずひん曲がりが加速して蛇髪姫も呼んじゃうよね。しょうがないね。しょうがないよ。
(※岩長姫:市川笑也さんの役、義経いたぶり隊隊長)
(そう言えば、氷艶って確か"悪VS善"の勧善懲悪ものって聞いてたけど、今や私、岩長姫の恋物語(横恋慕)として記憶しちゃってますが間違ってますか…)

一枚一枚の写真からぶわっと情景が甦ってきて、いちいちあの時の思い出に耽ってしまう。
イイ。写真集ってイイわ。浸る…。
自分が観たのとはまた違う角度、違う公演、違う切り取り方なのに、あの破沙羅の時空が頭の中に広がるのが面白い。ありがたい!

構図と臨場感

グッと広く空間を取った構図の写真も素敵なのがいっぱいで、あらためて構図ってスゴイ力があるんだと思った。
あの空間が、色々語ってくる。いろいろ。色んな事を!

出雲阿国義経の変装という設定)登場の場面は、空間の中にスッと佇むあの感じ、あれが構図でも見事に表現されてると思う。

それにしてもあの阿国さんの色香は…。

匂い立つようなって表現あるけど、ホント香りが漂ってくるような感じ。
写真を前に鼻をクンクンさせてしまうような色香です。

長唄での舞を披露した場面では、舞の佳境に入っていく部分が煽りの角度でババーンと来る!
これはもう色香漂うどころじゃない。全開。フルスロットル。息止まる!
阿国さまの息づかいが、ああぁぁぁぁ…

あの時かぶりつきで見てた韃靼人達(だっけ?)の気分ってこんなんかな?
いや、天井席から見てた時も息止まったんだけども。
あの日自分が体感してない事まで追体験出来てしまったよ。
ありがとうございます!!!

あと、何度も何度も見ていくうちにの生々しさに惹かれた。
沢山のスケートの軌道で削られていったリンクに氷の粒がキラキラと光ってる。トレースのラインが浮き立つ。氷のがする。

そうか。
写真に写るこの氷の臨場感が、あの空間をよりリアルに甦らせるのかな。

スケートの音だけじゃない。
剣を交える音や鬨の声が聴こえるかと思えば、無音になって義経の心情のようなものだけが浮かび上がって来たりもする。

写真ってスゴイなあ。
ここまで色んな事を伝えられるのかって改めて。

報道写真ではあまり見ない構図の取り方、ネットや新聞の画像では分からない繊細さ。
やっぱり写真集ってイイ!!!空気の甦り方半端ない!

決戦の後の剣を立て膝を折って俯く義経様にも、ぎゅうううううぅぅぅぅっとなる。
青い光の中、氷に立てた剣だけがキランと輝きを放つ写真…。
死闘を制したはずの義経様が、喜ぶでもなく悲しむでもなく、ただ力を出し尽くして静かに佇んでるの。さっきまでの激闘が嘘みたいに静かな世界で。
神聖な静謐さに満ちた写真で、もう金縛りにあったみたいに動けなくなるんだよー。
ああ、あの余韻は素敵だったなあ。
破沙羅、なんもかも素敵だったなあ。
😭😭😭

こうやって場面場面で浸ってはこっちの感情がいちいち振り切れちゃうので、写真集見るのも結構大変。
でもいつまでもじわじわと幻想の世界に浸れて幸せです。

とにもかくにもこの写真集を出して下さって大感謝であります。

表紙の帯を捲るとまた素敵な表紙と裏表紙が出てくるのも素敵!
素敵の宝庫!

メイキングとか舞台裏の写真も載ってるけど、やっぱり高橋くん、役に入ってる時と素の時は全然違う(笑)。
破沙羅の舞台では佇まいがずっと義経様。360度義経様!
本当に役に入り込んで、ずっと演技してたんだよなあ。

だから高橋くんと義経様は別人なんだ、自分の中で。そう思わせるくらい役者だった。
あーまたあんな役者の高橋大輔が見たいなー。
氷艶のカウントダウンは何かなーーーーーー。

そして破沙羅の方の新しい展開も、いつでも待ってますよーーー!!!