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「高橋大輔」を好きなだけ語るブログ

村元哉中/高橋大輔 国別対抗2023

3月の世界フィギュアスケート選手権から3週間後の国別対抗戦。
ほとんどの選手達は世選に合わせたピーキングから、選手によってはその後も10日間ものアイスショーがあって*1疲労の抜けない中の試合だったはず。大変過ぎる。

でも「見られて良かった!」ってなる演技続出だった。選手達には本当に感謝です🙏

男子のエイモズくんやペアのクニフレ組のように、素晴らしい演技が高得点に繋がって喜び爆発!ってゆうのも嬉しいし、でも点数だけでは測れない胸に迫ってくる演技がいくつもあって、ああだから自分はフィギュアスケートを観るのが好きなんだって再確認しました。

って訳で、世選に引き続き素晴らしかった、大好きな「かなだい」の感想です!

リズムダンス
Conga/Rhythm Is Gonna Get You Remix, Move

かなだい今季最後の競技用リズムダンス、あんなに速いダンスがまるで遊んでるみたいに見えたのは、高橋くんと哉中ちゃんの、力みのない軽さと余裕のせいかな。めっちゃイイ!楽しい!

国別での高橋くんの余裕はヤンチャな感じで、哉中ちゃんのは、何というか、大人の余裕
余裕綽々の哉中姐さんが、悪ガキ高橋くん(言い方が失礼でスミマセン!今回の演技がそう見えたってだけなのです!)を手のひらで転がしてる風情に見えたのは、高橋くんの髭が少なめで、やたら若く見えたせいでしょうか?まるで二十代前半の若造に見えたんですけど、あれはやっぱり魔法???ルンバのねっとりパートもなんか軽やかに見える。

映像があると何度も繰り返し見られるお陰で、何度か足元だけに集中して見てみたら、二人のエッジの距離の近さに心臓が縮こまるかと思った。うおっ当たるっっ!て見てるこっちが焦るくらいの近い軌道で二人のスケートの刃が高速で翻る。
これが最近一気に高まった一体感の理由の一つなのか。
あとツイズルでシャツが捲れて顕になる高橋くんのウェストの細さよ。(足元だけ見てたつもりが自然と視線が…。)あんだけ筋肉つけてのこの細さはどうゆうことですか!

フリーダンス
オペラ座の怪人

ファントムすんごい迫力だった!
NHK杯の時の、クリスティーヌへの想いがどっか縋るようにさえ見えた繊細ファントム(妄想癖者の感想)も新鮮で大好きだったけど、今回のファントムはど迫力の狂気大増量ファントムで、なるほどこれはイイ!ゾクっとした!
プログラムの世界に自分が入ってくって言うより、瞬間で一気に引っ張り込まれる強大な磁力。ってか魔力。ザ・ファントム。高橋大輔ファントム!!!

最初にファントムがクリスティーヌに伸ばした手に、もう激重の執着が滲み出てて鳥肌が立った。怖い怖いファントム怖い
ストレートラインの羽ばたきリフトの鮮やかさからの、ローテーショナルぐるぐるリフトの迫力も最強で、嵐のようなファントムと、それに翻弄されるクリスティーヌ感!

ファントムがクリスティーヌの腰に手を回す、腕を取る、頬を撫でる、そんな何気ない動きから見える感情がひたすら重い
いつも不思議なんですが高橋くんて指先から感情が迸ってくるの、アレは一体何なんだろう?
シングルの時の自由に動かす両手先のニュアンスも、まるで魔法を見る気分だったけど、人と組む時の触れ方からまで何か出てきた!! ファントムの、彼女の才能を輝かせたい献身と、絶対離したくない執着が狂気になって、今季最大の迫力でヒシヒシと伝わってくる。
RDコンガで見せたあの軽い兄ちゃんとは、中の人(?)が違うんじゃないか?ただ手を取るだけの仕草が、こんなに違って伝わってくるとは。

そう言えばこの人モンスターなんだった。荒川さんも言ってたけど*2才能モンスター。本当に、表現の、パフォーマンスのモンスター。怪人。
忘れてた訳じゃないけど、アイスダンス始めてたった3年で!あの「高橋大輔」の力がアイスダンサーとして表に出てきた。もうキタ!キマシターーー!!

かつての彼のとも違う、シングル時代の経験に加え、氷艶での芝居・台詞・歌唱、LOTFでのアメリカトップダンサー達とのフロアダンス、エンタメの裏側の取材、ブランクを経ての競技再開、哉中ちゃんとのアイスダンス、そうゆう全部をがっちりじっくり糧にしてきた、今の高橋大輔さんの表現の力。
パートナーの哉中ちゃんと作り上げる世界があまりにもオペラ座の物語の核そのもので泣きそうになった。
技術を競技として成立させながら、競技を忘れさせてくる。
ほんとにほんとに素晴らしいパフォーマー

そして村元哉中さん!!!!
高橋くんの表現の力は、長く見てきている分ある意味知っている事ではある(それにしてもしょっちゅう驚くんだけど)。けど、哉中ちゃんのは「かなだい」を応援するようになって、どんどん魅力を知ってあまりの凄さにビックリした。「かなクリ」の時から素敵だとは思ってたけど。

最初に見せた怯えや困惑から、どんどん輝きを増して自立していく芯の強いクリスティーヌ。彼女の強さはファントムを傷つけるけどそれこそがファントムを救うんだよねありがとう哉中クリスティーヌ!!!(隙あらば妄想)
終盤、ファントムの頬に両手を添えたクリスティーヌは、まさに慈愛の女神でした!

高橋ファントムの狂気の迫力と、哉中クリスティーヌの柔らかな強さが、物語の哀しさをこれでもかってくらい高めてくる。もう物語の彼らに感情移入し過ぎてしんどい!(幸せ)

高橋くんがアイスダンスの技術を着々と獲得してパフォーマンスに注力出来る様になった今、彼だけでなく、哉中ちゃんの才能の素晴らしさもめっちゃ鮮やかに目に映る。
哉中ちゃんが4年前に高橋くんに声をかける勇気と決意がなかったら、今のこの二人の素敵なパフォーマンスは見られなかったのか…。

見られてよかった!

高橋くんの新しい引き出しを開けて、新しい世界を楽しむ時間を貰えて、村元哉中さんには本当に大感謝です。

そして逆もそうだな。
私が知ってる日本のアイスダンサーは、高橋くん第一次シングル期と同時期のキャシーとクリスのリード姉弟からで、彼らの演技にも何度も涙腺を壊されてきたけど、そのクリスと哉中ちゃんが組んだ「かなクリ」の哉中ちゃんもとっても好きで、彼女がアイスダンサーとしてこれからどうなるんだろうってすごく楽しみだった。だから、一度競技の世界で哉中ちゃんのダンスが見られなくなってしまった期間はとても寂しかったのです。
アイスダンサーの村元哉中さんをまた見ることが出来て、彼女の「その先」の華やかな力を見させて貰えて、高橋大輔さん本当にありがとうございます!
この二人が組んでのアイスダンスを見られる世界にいるなんて、本当になんてラッキーなんだろ。
かなだい二人それぞれに、どれだけお礼を言っても足りない。

それを言ったら彼らの力を育ててくれたマリーナコーチも、マリーナを薦めたマッシモさんも、愛情深いトカチェンココーチも、快く送り出してずっと応援し続けてた歌子先生も、ああもっともっといっぱいの人達が、今のかなだいの世界を作ってる。
見るだけの自分は、ただ彼らの恩恵を受けるばかりであっちにもこっちにも感謝がどんどん溢れてもうどうしていいやらわからない。笑

それにしてもアイスダンスって奥深い。難しい。
勿論シングルよりアイスダンスの方が難しいって意味じゃなく、世界トップのアイスダンサーがシングル競技に転向したって大変だろうし(ジャンプだけじゃなく多分一人でのスケート技術も)、つまりどっちもそれぞれに方向の違う技術が必要で、どっちもやるってのが凄い。

世界選手権のJスポ解説で滝野さんが仰ったそうですが、高橋くんがアイスダンスに転向して3年のこれまで、転倒も失敗もあったし、嫌になるんじゃないかと思うくらい色々なことがあった。
滝野さんは、それにもめげずに身体を鍛えアイスダンスを一所懸命学ぼうとしていた姿勢が、高橋くんの素晴らしい人間性を表してるって話されてたとか。

失敗の姿なんて、本当は誰だって人に見せたくない。一度世界の頂点に立った人なら尚更のはず。なんせ注目度が段違い。初心者なのにビッグネームとして期待も注目もその他色んな目のプレッシャーも浴びて。
そんな中、初歩の段階の自分を世界に晒して、案の定外野には色々好き勝手に言われたりしながらも、本人はずっと真摯に努力して難しい挑戦に目を輝かせてた。

かつての五輪メダリストで世界王者にまでなった人が、初心者のカテゴリーで成長しようと努力する。
必要以上に厳しい目で批評されたり、一方で最初から世界的な活躍を当然のように期待されたり、結構理不尽だろうと私なんかは思うけど、ご本人はずっと楽しそうに充実した目でキラキラしてて、それを見られたのが楽しい。幸せ。

高橋くんも哉中ちゃんも、「自分がやりたい」ことへの情熱がめちゃめちゃ強くて芯がブレない。そんな人達を見てると、自然と自分も頑張ろうって気持ちになります!

頑張ろうっ!

今季のフィギュアスケートは、この国別でついに終了。
国別はチーム戦なので選手達も和気藹々で楽しいけど、日程的には体調維持など皆さん大変だったはず。
にもかかわらず、かなだいは勿論、たくさんの選手達の気持ちのこもった素晴らしい演技だらけで、観てて活力をいただきました!
選手の皆さんには、本当にお疲れ様ありがとうございました!

*1:日本からは坂本さん、舞依ちゃん、友野くん、りくりゅう、北米組はジェイソン、マリニン、クニフレ、チョクベイ、パイポーが、3/26に終わった世界選手権に続いて3/30~4/9の3都市11日間ツアーとなったアイスショーに出演した選手。そして国別は4/13~16。ホントお疲れ様でした!

*2:テレ朝の国別番宣用対談番組、荒川静香×高橋大輔「リスペクト」より。荒川さんは高橋くんの体の使い方について、ベタ褒めというか驚いてる感じでした。同感!

村元哉中/高橋大輔 世界フィギュア2023

エネルギッシュラテン!+オペラ座劇場

かなだいRD 「Conga」 他

youtu.be

見ました。世界選手権「かなだい」のリズムダンス!
エネルギーが弾けてた!弾け飛んでた!

もしかすると弾け飛び過ぎたのか、最初のツイズル多く回り過ぎた高橋くん(笑)、にもかかわらず直後のセカンドツイズルからまたピタッと合わせきた修正力!あんまり素早く完璧に戻ったから、あの多めの回転は私の幻だったのか思った程で、ただただずっと楽しかったです。
ずーーーーっとカッコイイ!!!!
最初から最後までテンション上がりっぱなし。

会場のお客さんの盛り上がりも素晴らしく、最初からノリノリの手拍子。
途中一回ルンバのリズムで少しテンポダウンするとこがあって、リズムとステップを正確に揃えないと点数に響くパターンダンスタイプステップシークエンス(名称が長い)に入るそうなんですが、そこでピタッと手拍子が止むのもさすが。
選手に届く音楽を邪魔しない配慮なんですね。高橋くんがアイスダンス始めるまで知らなかった事ですが、アイスダンスって本当に音楽と密接にあるカテゴリーなんだなって思う。

音楽とのユニゾンもだけど、二人のユニゾンの重要性もすごく感じた。
シングルならテンションが上がっていつもより突っ走るのも良い勢いになるけど、二人で組む中ではテンションの上げ下げも二人同時が必須。

今回のかなだいは、前半が少し二人のタイミングが違ったのか、特に冒頭のコレオは至近距離で高速で動き回る分かなりスリリングだったけど(笑)、後半は息ピッタリで二人一緒にグワッと盛り上がり、最後のサンバステップは会場含めて大盛り上がり!
スカッとするー。ガンガン燃え上がる!
本当にエネルギッシュで楽しいラテンプログラムでした!

二人で組んで滑る難しさと楽しさ

高地開催で体調不良者が続出した2月の四大陸大会でも感じたけど、一人であれば体調に合わせたり臨機応変に調整できる部分が、二人では常に互いの息を合わせなきゃいけないとか、シングル競技とカップル競技って心構えからして本当にまるで違うんだとよく分かった。

こんな新しい発見も、かなだいを応援するようになったからこそ。
二人で組んで踊るアイスダンスの難しさと楽しさを教えて貰えて、哉中ちゃん高橋くん二人に本当に感謝。なんか人生へのヒントにもなりそうな(笑)

そして二人での細かい調整の難しさとは逆に、哉中ちゃんも高橋くんも言ってた「二人だと喜びが2倍3倍になる」カップル競技の楽しさ。まさにそれを体現してくれたのがフリーダンス!

かなだいFD 「オペラ座の怪人

youtu.be

オペラ座の怪人でした。
さいたまスーパーアリーナ劇場でオペラ座の怪人を観ました!(TV越しだけど)

初回のスケアメから数えて、かなだいのオペラ座を見たのはこれで6回目?毎回ちょっとずつ違う二人のオペラ座の怪人

今回改めて思ったけど、あの、演技の一番初めに、怪人のマスクをクリスティーヌが取ってしまう場面を持ってくるの、…ホントすごい。
最初の最初で二人の決裂を描いてしまう。
そこから回想に入っていくような時間の逆戻し。

前半のファントムの怖さと、クリスティーヌの困惑。表情とかだけじゃなく、ファントムがクリスティーヌをコントロールしようとする強引さ、操られるようなクリスティーヌの戸惑いも、ちょっとした動きのタイミングで伝わってくる。

二人一体でスピンを回るあたりから、クリスティーヌのファントムへの信頼が見えて、二人の間に一見明るい時間が流れ出す。なのに、クリスティーヌの無垢な笑顔、彼女に全てを与えたいファントムの献身が、

切ない。

これは最初に決裂シーンを見てるせいもあるんじゃないか。

どんどん輝きを増すクリスティーヌに、ファントムの思いがどっか重くて、どうしても不穏で。特に終盤のステップでお互いに体を預け合いながら、クリスティーヌが美しく微笑む程に、ファントムの目に喜びが見える程に、こっちの胸がぎゅうぎゅう痛くなる。
それじゃ絶対報われないんだよ、終わるんだよその時間は。ファントムーーーーー(泣)

最後のコレオリフト、今回変更したこれ大好き!すごい好き!(前のも好きだけど)
前半の羽ばたきリフトはファントムの力で天高く舞い上がらせたのに対し、最後のは美しく羽ばたくクリスティーヌを、ファントムが絡め取って離せないようにも見える。そしてついに自分の意志で彼女を手放す。手放した。手放せたよ!よくやったファントムーーーーー(号泣)

〜からの、地鳴りのような四方八方からの拍手と歓声。
高橋ファントムも涙。最後に自分の力で飛び立った哉中クリスティーヌも戻ってきて涙でファントムを抱き締める。

ついに!報われたね良かったね!(大号泣)

今までのしんどいしんどいトレーニングがやっと報われたような哉中ちゃんと大輔さんの幸せな姿に、私の脳内ストーリーが、クリスティーヌがファントムに絆されたハッピーーエンドにしてしまう。いやもうそんな終わりでもいいよね。というかある意味彼らが二人とも報われたからこその解放で、あれが二人の愛なんだよねって、もう物語と現実がごちゃごちゃだ。笑

クリスティーヌ輝いてたなあ。たまアリ公演の彼女は、ファントムの側で、過去いち幸せそうなクリスティーヌに見えました。
素晴らしかった。素敵な公演をありがとうございます!

演技を見る度に、よき〜〜〜〜とぼ〜〜〜っとして幸せになれる。

…のですが。

あの実は、しばらくしてちょっと、あの、欲深きことに、ですね、あと1.23点かー、そっかーー、あとほんのちょっとでTOP10だったかーーーって思ったの、ほんと人間が出来てないな私。すみませぬ。

でもこんな勝手な他人への「惜しい」って気持ちも、高橋くんや哉中ちゃん達がまずはやり切って幸せでいてくれるからこそ穏やかに持てる。なんて有難い。

私の自分勝手な惜しがる気持ちとは全然別だけど、高橋くんは一夜明けての取材で、落ち着いたらちょっと悔しさが出てきたって言ってたようです。やっぱり(笑)
けど、「僕たちも成長しているけど、他の選手達も同じ時間成長するので」って続いた高橋くんの言葉。やはり冷静でした。*1

アイスダンスチームとしてこんなにも素敵になった「かなだい」。二人の深化の続きを来シーズンもまだ見たいって自分は思うけど、それがめちゃめちゃ無責任で勝手な外野の戯言なのは分かってる。
そもそもここまでやってるのが既に奇跡だし。
それにアイスエクスプロージョンを見て、ああゆうショーの可能性に全力振り切った高橋大輔村元哉中を早く見たい気持ちもあったりして。
うーん、心が揺れ動くーって私の心の揺れはどうでもいい。笑
高橋くんだけじゃなく哉中ちゃんの気持ちも分からないけど、大人しくゆっくり二人の決断を待ちます!

会場

アイスダンスはかなだい以降以外の演技も大盛り上がりだった模様。
初日からずっとだけど、この日は競技最終日の土曜日でお客さんの入りもテンションも一際高かったのか、男子シングルでも本当に盛り上げ上手で温かいお客さん達だった。
選手が素晴らしかったのは勿論、あのでっかい会場が上まで満杯で、その大勢の観客がどの選手にも気持ち良い声援を送ってて、会場中からずっとを感じた。

日本ではコロナ禍で3年も声援が送れなかったから、いきなり今回から声出し解禁ってなってもちょっと遠慮しちゃう人多いかもって実は思ってたんですが、全然でした。笑
皆さんマスク越しのハンデもなんのその、今まで出来なかった分も込めるかのような大音量大声援。
TV前からも勝手に嬉しい。ありがたかった。

選手達と観客の熱量が呼応するような、清々しくて愛溢れる素敵な世界フィギュア2023でした。
フィギュアスケートっていいもんだなあ。

*1:一夜明けのコメントは各紙あるけど自分が見つけたのを一つリンク 

www.sponichi.co.jp