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「高橋大輔」を好きなだけ語るブログ

滑走屋の(動画を観ての)感想2 OPENING

滑走屋って、観てる間は呑み込まれっぱなしで頭真っ白なんだけど、何度も観てるうちに、この余韻だらけの不思議な世界観に自分の妄想があれやこれやと止まらなくなる。

プログラムの解釈は好きにしてくれたら良い、なんなら聞きたい、みたいな事を振付の鈴木ゆまさんが仰ってるのを読んだ記憶があるので、お言葉に甘えて好き勝手に脳内妄想を書いてしまいます。

特に印象に残った滑走屋群舞の数々のうち、まずはオープニングから。

滑走屋OPENING

初手で殴り込まれる感じ。
いきなり今まで見た事ないものが始まってあっという間にのみ込まれる!

通常のショーだと、最初はまず出演者の紹介を兼ねて明るい照明で一人一人分かりやすく見せてゆったりとショーが始まるイメージがあるけど、滑走屋さんまず演者を紹介する気が全然ない(笑)。
なんせ全員が顔半分アイマスクで隠してるし、暗い照明でシルエットで見せるから誰が誰かはほぼ分からない。衣装も全員が黒のロングコートで、男女の性差すら曖昧。
最初は一瞬面食らったけど、個を際立たせない分、全体のフォーメーションと動きに自然と目が行くようになるのがすごく面白い。
出演者の紹介じゃなくて滑走屋そのものの紹介なんだな。高橋くんが言っていた「職人」って言葉を思い返す。

まずショーを見よって感じで、その状態でいきなり5曲の繋ぎ合わせ14分弱ぶっつづけで、一気に観客を世界に引き込むオープニング。

曲の構成は
1)Vecna’s Grandfather Clock Theme, 2)Hide and Seek, 3)Furioso, 4)Blood Tears, 5)Heist
(と後にSNSの皆様のお陰で判明)

始まり、荘厳、時間

最初っからすごく好き。
満天の星を思わせる空間に、一人、二人と人が入ってきて段々増えて蠢いてザワザワと忙しなく時間が動き出す感じ。
夜が明ける前の荘厳な静けさから、世の営みが動き出す時間に向かうまでの駅の雑踏みたいな。そうゆう時間の境を見てるみたいで、なんでか胸がギュッとした。

後日出た鈴木ゆまさんのインタビューによると時間の創造がテーマだったようですが、なるほどー。そう言われたら、ミヒャエル・エンデの「モモ」に出てくる、時間の番人マイスター・ホラの部屋みたいなイメージもちょっと重なった。

静かだけど音が溢れてて、厳かで規則正しいのにどことなく雑然とした空気感で、なんか、すごく懐かしいような、でも絶対手が届かないような。なんでこんなに胸が締め付けられるんだろうな。

地下、威圧、心理戦

時計の鐘の音の残響の中で始まる2曲目”Hide and Seek”での秘密結社感も堪らない。

あの最初の重苦しい不穏な音、あれがクル。
低い弦の音かな。ちょっと金属的。自分には錆びた分厚い鉄扉を押し開く音として見えて、開扉と同時に一人がスッと進み出る。だ。ってすぐ分かるのなんなの?オーラなの?覇王色?
ズンっと前に出る一歩だけで広がる威圧感に「今静かに戦いの幕が切って落とされた」とか勝手に妄想脳内ナレーションがかかる。

開扉(妄想)の音の残響と、照明で作られる格子状の影のせいなのか、リンクが滅茶苦茶天井の高い地下空間に変わる。空虚感と閉塞感。
その中で、黒装束、黒マスク、ロングコートの高橋大輔軍、友野一希軍の両軍睨み合いの緊張感がやばい。カッコイイ。好き。
戦いと言っても心理戦に近い威圧合戦みたいな感じが、やばい。カッコイイ。好き。

なんと言ってもあの、黒いもの達が急にブワッと一塊になって、最初のあの扉の音(妄想)と同じ音でブワっと八方に散ってくところが圧巻。あれだけの大人数が音もなくサッとバラけるの、スケートならではだ。さすがだ。大好きだ

集まった形が綺麗な円形とかじゃないのがまたすごく良くって。
散る時も一斉に手を挙げるけど捌けるタイミングは微妙に同じじゃないとこが、混沌が混沌のまま解散する感じで、なんかこう、ブォンってあの音の残響にピッタリ。
一人一人なんだけど全体で一つの生き物みたいでもあり。なんかわかんないけどゾワゾワする。

決戦、戦闘、暴走

3曲目はFurioso。音楽用語なら”激しく””熱狂的に”。ここでマスクを剥ぎ取った軍勢の動きが一気に大きくなって、ついに決戦のぶつかり合いに。

攻撃特化のタカハシ精鋭部隊!鉄壁の守りを誇るトモノ軍勢!最後を掻っ攫う最強レディース諜報隊!(もちろん全部妄想!)
出・陣!

で、4曲目Blood Tears、真っ赤なリンクの爆走につながっていく。速い!激流!目まぐるしい!うおおおおおおおおおお!

なんか人が入り乱れ過ぎて途中から誰と誰が戦ってるか分かんなくなってきたけど、あれ?もしかして対決じゃなくて共闘?まあいいやそんなことは!

メンズのジャンプも裾長族のスピンも、戦闘武器としてめっちゃ強い!
そしてあちこちで裾が旗めきまくる。この辺のの破壊力たるや、こっちの脳が沸騰して語彙が消える!

享楽のHeist

訳もわからず細胞が沸き立ちまくったところにくる5曲目”Heist”は踊り狂いのダンシングナンバー!!カッコイイ!!!めっちゃカッコイイ!!!!

Heistの訳は強盗らしいですが、なんというか高橋くんの選曲、オープニングの流れだけでももう最高。
5曲目で倫理とかお行儀とかぶっ飛ばして踊りまくる享楽の世界。
これを日本の若い選手達も混じって作り上げたんですよ。すごいよ!ほんとスゴイよ!!享楽をカッコよくやるのって結構日本人不得意分野じゃないでしょうか、ましてや若い選手なら。それが皆めちゃめちゃ決まってるのだ。

Heistでは照明が明るくなるので、誰が誰なのかよく見える。
ガールズ特集場面では、あまりの女子の格好良さにやられました!

挑発的に踊る女性陣の円の中央で、一際艶かしく踊るのがショー最年少の16歳・奥野友莉菜さんと知った時はビックリ。バンビのようなしなやかなさと、手足の使い方の艶やかさのバランスに目を惹かれる。

総長・村元哉中さんの異常な格好良さは言わずもがなだし、村上佳菜子さんは女優!雰囲気の作り方が天下一品!妖しい笑顔もめちゃくちゃさまになる。
溌剌とした動きの江川マリアさんはアイドルのような華やかさだし、スポーティーなかっこ良さでダンスセンスが光る岩野桃亜さん、凛とした雰囲気を纏う三宅咲綺さんも素敵。

女性陣の振付で、スライディング寝転びから片足上げて肩から足先までグインって身体を波立たせる動きがあって、あれを色っぽく且つカッコ良く決めるのって相当難しいと思うのだけど、でも全員カッコ良さマックスで来る。全員がカッコイイもんだから、あれ?これ普通に出来る動作なの?って一瞬勘違いしそうになるくらい。滑走屋レディースすごい!
私が観た映像アングルでは、特に青木祐奈さん。クールとキュートと上品の三点盛りであれを決めてくるの、スゴイ!好き!

滑走屋メンズのオラつき感もまた素晴らしい!全員もれなく艶度とキレ度が日に日に増す。まさに踊り狂ってく感じがめちゃめちゃ楽しくて、気持ちがぶち上がる大好きなナンバー。

あと、ここで二人で組む「かなだい」カップルがカッコイイの極致なのです!
一人でもカッコイイのに、二人揃ってカッコイイとカッコイイ値が振り切れてこっちの情緒も最早どうしていいやらわからない。
勿論、かなだいがカッコイイなんて大昔からのただの事実だけど、Heistのかなだいのカッコよさは、なんだろう、狂おしくカッコイイ!
休符やリズムも含めての音への乗り方、音の空気を見せてくるような表現が、めっちゃカッコいい上に二人で揃ってる。ユニゾンの揃いじゃなくて、二人で一つみたいな動き方。組合せがカッコイイ

組んで踊るってこうゆう事なんだな。魅せるショーにおいてカップル演技のこの醍醐味ってこんなに強いんだ。そりゃ高橋くんがこの技術が必要だと思う訳だ。見れば分かる。強い!

ビバ!アイスダンス!!

このボルテージ最高潮のまま山本草太さんの激しいソロナンバー「Teeth」になだれ込むの、最高です!

好きなだけ妄想を書き散らしたらオープニングだけでこのボリュームになってしまった。
この調子だと氷艶までには書き終わらないかも知れない。なんで今始めたんだろう私(笑)

次の妄想文の演目は"Who Are You, Really?" のつもりです。

さて、氷艶2024〜十字星のキセキ〜まであと5日。
早く観たい!けどまだまだ待っていたい(笑)!とにかく楽しみです!
Go!Go!氷艶ず!