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2010年バンクーバー五輪 浅田真央 鐘

浅田真央 フリープログラム 鐘

なんで今バンクーバーオリンピックなのかというと、最近ずっと過去プログラム振返りを続けてて、今ちょうど2010年辺りを彷徨い中だから。
基本的に高橋大輔プログラムの振返りブログですが、うっかり女子まで振返ってしまい、書きたくなったプログラム。

女子シングルも素晴らしくて、素敵だと思った演技はたくさんあったけど、中でもあの浅田真央選手の鐘は、久々に振返ってまた泣いてしまった。

真央ちゃんの鐘はたくさんのファンの人達が既に語り尽くしていると思うから今更感がかなりあるけどやっぱり書きたい。

当時自分は、女子は特に誰かに思い入れがあった訳じゃなく、日本人選手は皆、何故か涌き起こる勝手な親近感で応援の気持ちは強かったけど、海外の選手も好きな演技が見られたら誰であれ嬉しいという感じ。割とフラットな気持ちで見てた記憶。

そんな中で特に印象的だったこのプログラム。

トリプルアクセル

不穏極まりない重々しさで始まるラフマニノフの鐘。
寒くて暗い厳しい冬のモスクワを想わせる重さ。(モスクワ行った事ないけど)
トリプルアクセルという大技への緊張感と相まって、空気がピンと張りつめてるのが分かった。

その空気の中で決まるトリプルアクセル。曲の重々しさもあってか荘厳だった。ジャンプに荘厳ってどんな感想だって自分でも思うけど、とにかくそう思った。
観るだけの自分としては特にトリプルアクセルそのものへの思い入れはなかったけど、選手が作る研ぎすまされた集中の空気に感染する感じ。

このプログラムはクライマックスに次ぐクライマックスというイメージで、もう息がつけない。ただ観ているだけの自分でさえ。

スパイラル

オーケストラ総動員(多分)(そう思えるくらい)で鳴る大音量の盛り上り部分では、スパイラルのたたみかけ。
このスパイラルがスゴイ!綺麗なんだけど、なんか姿勢が尋常じゃない。並外れたバランス感覚と体幹で成り立つような美しい姿勢。そして力強い。
スパイラルって普通はしなやかさとか優雅さとか、女性の持つ柔らかさを活かしてそうゆう風に使う事が多いと思うんですが、この鐘では圧倒的に力強さ
美しいんだけど凄味のある美しさで、その迫力に圧倒されてしまう。女性とか男性とかを超えた、何かもっと「大いなるもの」を象徴しているような。

気圧される程のスパイラルの力に呆然としていたところで、ジャンプに小さなミスが出てハッとする。
そこまでは完璧だったのに…!と応援者としては悔しい気持ちもあったけど、鑑賞者としてはそれさえ美しく見えた。
その時の低い鐘の響きがどこか失意を表しているように思えて、そのシンクロに鳥肌が立った。失意と、それを癒そうとするような鐘の音。

ステップ

この後のステップは、浅田真央という選手の真骨頂だったと思う!
とんでもないポジションの連続で、一瞬の休みもなく全身全霊で動くエネルギー。その動きの一つ一つが突き詰められたように美しい。あれだけの美しさを完成させるためにどれだけの練習量があったんだろ…。凄まじさと美しさと。

魂で滑るようなそのステップに、こっちはもう滂沱の涙で観てる以外はなかった。本当に綺麗だったな。あぁまた涙が…。

本人はあの小さなミスがとても悔しそうだったけど、こっちは素晴らしいものを見せてもらって感謝しかない。ひたむきで一本気な気持ちが演技から伝わってきて心が震えた。悔しがっていたその気持ちも含めて、アスリートとしてのストイックさが眩しいくらいだった。

その後の世界選手権のパーフェクト演技は、鐘の重々しさに希望の光を感じる、バンクーバー五輪とはまた違う素晴らしい演技でした!

最初にこのプログラムを観た時は、それまでの天真爛漫な真央ちゃんのイメージが強過ぎて、合うのかな?って思ったけど、終わってみれば、「THE 浅田真央」なプログラムだったな。振付けたタチアナ・タラソワコーチは分かってたんですね。さすがです!

 

動画探したんだけど、女子はオリンピック公式がアップしてくれていないのかな。
なんで女子だけないのー。見つけられないだけかな。