高橋くんの今月のバラエティー出演「メレンゲの気持ち」を見た事がきっかけで、改めて私の好きな高橋くんの「人に自分を委ねてオープンでいられる力」について考えてみた。
しばらくPCに向かう時間がほとんど持てない期間があって、めっちゃ今更な話。
最初はこの件は書かないつもりだったけど、一部で悪意ではない誤解も結構ある気がして、本当に今更ながら、自分が落ち着くために書きました。
多分食傷気味だろうファンの方には申し訳ないので、ひっそりアップ。
私の好きな高橋大輔さんの話 番外
まず。
自分が高橋くんを好きなのは、とにかく彼のスケートが好きだからだけど、あのスケートは彼自身の性質・性格と密接な関係があるんだなと、何年かかけて気づいてきた。
今や高橋大輔のスケートが好きで、高橋大輔の考え方が好きという状態。
好きと言うか、めちゃめちゃ変わってて面白いと思う。いや好きなんだけど。
中でも、高橋くんの「他人に自分を委ねて自分をそのまま曝け出す力」は、常々すごい能力だなと思ってる彼の魅力の一つで、昨シーズン高橋選手を取材した小宮さんというライターさんも、高橋くんを語る講演会で話題にしてらっしゃったようです。
その講演会の感想をいくつか拝読して(🙏)、直接に彼と言葉を交わした人の目に映った高橋大輔評が面白かった。
小宮さん曰く、
高橋選手は初対面の人間(小宮さん)にも自分を委ねられる純真さがある。
いつもオープンでいられる。
柵を作らない。
珍獣レベルでの性善説で動く。
敵意や憎しみが全くない。と。
それを聞いてなんか分かるなと思ったし、彼のスケートにも通じると思った。
本当に観客を信頼して自分を開け放ってくれる。曝け出してくれる。
だから伝わるものの大きさが半端ないんだと思う。
表現って生き方なんだな。
普段持ってない姿勢を演技だけで披露するのはきっと無理で、氷上だけじゃなく彼が普段から自分を繕わず見せられる人なのは、インタビューでもよく伝わってくる。
どんな人かまだ分からない初対面の人にも、不特定多数にも、基本的にオープンで居られるってすごい事だ。
多分高橋くんは目立つ場所にいた故に、普通よりもきっとずっと沢山の悪意や裏切りも経験してきた人だと思う。
それなのに30歳を過ぎても「珍獣レベルで性善説」と言われるほど他人に自分を預けられる。ホントに驚異的だと思う。
人を信頼していつもオープンでいるから、人にも信頼されるし応援されるし自身も成長していけるんじゃないかと、小宮さんは仰っていたそうですが、なるほどと思った。
小宮さんからは純真過ぎて心配って言葉も出たそうな。
確かに、あんまりにも隔てなく無防備に見えて、こっちが勝手に大丈夫だろうかって不安になる時があるのもワカル。
無防備さ
最近、高橋くんを色んなバラエティーで見かけるんだけど(彼が携わるアイスショーやマンションの宣伝のため)、彼のこの無防備さについてちょっと考える事があった。
日本のTVのバラエティー番組は、基本的にアスリートやアーティストを笑いの為に下世話な話に引きずり込むのが好きだ(と思う)。
高橋くんはこの手の番組でも、生来の正直さで聞かれた事には自分の事なら大体そのまま答えてるように見えるし、その場の空気をめちゃめちゃ読むタイプでもあるので、自分を大袈裟に落としてTV的な笑いを取ることも構わないところがあると思う。
一度引退してメディアの伝える側に立った経験がある事も、制作側に出来るだけ協力しようとするサービス精神を加速させてるかも知れない。
もちろんかつての現役時代から、メディアに取り上げて貰えるのは有難い、できるだけちゃんと対応したいと言っていた人だ。
元々の誠実さに加え、男子フィギュアスケートの会場がガラガラだった時代を経て、自分達の努力で盛り上げてきた時代の第一人者としての感覚でもあるのかな。
彼自身は、自分の弱さや変わってる所を正直に話して、自分が誤解されたり曲解されたりしても、あまりその辺を構ってなさそうに見える。
気にしない訳じゃないだろうし、悪く言われればやっぱり傷つくだろうけど、誤解される事への警戒よりも、繕わない自然体を選ぶ人だと今までの言動から思う。
素直で大らか。
スケートなどの演技で、彼が感じ方を観客側に全て委ねてしまうのと多分同じ。
俺様だとかナルシストだとか、かつて散々言われてた気がするけど(笑)、そんな事を気にせず音楽の表現に徹して演技を見せてくれるから、自分は高橋くんの演技から沢山の感情を受け取れるしどっぷり浸れるんだと思う。
そして、こう見て欲しいという彼からの要求を全く感じなくて、受け手側の自分がすごく自由に演技に浸れるのも、私が高橋くんのスケートが大好きな理由の一つだ。
ただ彼の無防備さ、繕わなさは、危険もあるのかなと思う。
メレンゲの気持ち
という番組に彼がゲストで出た時、話題の最後の方に好きな女性のタイプの話になって、最初は顔の話をしてたのが身体の方に質問が移った。この時の話がセクハラだと問題になったらしい。
自分も番組を見てたけど、この時の彼の視点は顔の時と同じく、ただ自分の好きなフォルムについて語ってるだけだった。
番組側の質問に、なんでアスリートにそんな話なのかと思うけど、彼は気にする様子は見せず、寧ろかなり真面目に答えてたと思う。
他人の事なので断言するのもどうかと思うけど断言しても良い。
元々彼のフォルムへのこだわりは尋常じゃない。拘りと言うか感覚?
対象は女性どころか人間に限らず、あらゆる造形に対しての美意識が、彼が自分自身に向けるものも含めて、すごく感覚的で、でもめちゃめちゃ細かい。
衣装も髪型もインテリアも食器も料理の盛り付けも。
美しく見えるフォルムについて、常にアンテナが働いてるように見える。
あの美意識が演技での美に繋がるんじゃないかな。
そして彼の場合はただ自分の好みがあるだけで、そこから外れてても云々する人ではないのは番組を見るとよく分かる。
ただ番組側の姿勢はただの造形美としてだけで扱う気はないように見えた。
その中で個人名を出しちゃったのがな…。
同じフィギュア選手の中でなら誰?と問われて、そのまま個人名で答えてしまった。
番組の姿勢に気づいている人なら、具体例で想像させるのが嫌な人はいると私は思う。
ただ、名前を出す前に話していた彼の話は、一般的な身体美としての形の話だと自分は感じたし、ここまでならそんな問題にする人はいなかったんじゃないか。日本では。
一部海外で、彼の使ったフェチって言葉を英語のフェティシズムに変換してしまい、更にその直訳を逆輸入した解釈が日本にもあったようで、それは断じて違うけど、この誤訳の誤解だけならまだ解きやすかったかもと私は思う。多分。
日本語の通じる人が番組を見れば、彼の空気感から出た言葉なら、問題にするようなシーンじゃなかったと思うから。
脚フェチって言うんですかねぇって真面目な顔で首を傾げながら、真面目に形について話し出したのが、私は興味深かったです。笑
あと、元々個人名を出して、フォルムを語っていた訳ではない。名前は、彼が語った理想に当てはまる人を、フィギュア選手なら誰?と問われて答えたという流れ。ここの順番も反対に捉えてる人が多そうなので強調しておきたい。
でもその後に出てきた、番組側が制作した脚当てのフリップには問題があると思った。この部分はセクハラになると思う。
比較させるような視点で、例に出された人達が無遠慮な視線に晒されてしまったと私は思った。
真面目に身体美を語る高橋くんをスケベ親父に仕立てて、笑いを起こす為の番組側の手段だったんだと思う。
高橋くんは自分がその犠牲になるのは構ってなさそうに見えたけど、この時は名前を答えていた所為で他人も巻き込まれてしまった。
彼自身には疚しい気持ちがないからこそ危機感なく個人名を出したんだと思うけど、あのフリップ見た瞬間、しまったぁぁぁあああって思った。私が。
名前は聞かれたから答えたんだとしても。それで、こんな事が起こるのか。
もちろん、これを使っての番組側の比較させる意図の煽りには高橋くんは乗ってない。
番組側の女性の一人を比較させてオチに使おうとして煽られてはいたけど、何度か言わせようとされてた「太い」と言う言葉を、彼は最後まで口にしなかったし同意もしてない。
その後の話はまた面白かった。
この日のゲストのもう一人がグラビアアイドルの方で、そのままその方の脚も綺麗だって話になり、番組側の久本さんが自分の脚も見せてどっちがいい?と(恐らく彼女が自身をオチにするつもりで)また比較の話にした時。
高橋君は片方を選ばず、日替わりで、ダメですか?と遠慮がちに答えて、他人ではなく自分の優柔不断ぶりをオチにしてて、そこからも彼の他人への姿勢が分かる。
めっちゃ和んで笑わせて貰いました。
問題の改善方法
まとめると、自分が引っ掛かったのは、番組側が作ったフリップの無遠慮さと比較で笑いを取ろうとした番組の姿勢の方。
あのフリップが出る事を知らないゲストの側を、予見できなかったから躱せなかったからで非難するのは変だし。出した方の問題だ。
そもそも彼が話した視点は番組側の姿勢とは違うし、煽られた時も乗ってない部分がしっかりあった。
問題として取り上げられた時、そこがごっちゃになって、その高橋くんの姿勢が誤解されてるらしいのは、ひどい二次被害だと思う。
実は自分も、あのフリップが出た時に悔しくて、TVなんて下品て分かってるもんに、そんな話題で個人名を出したらあかん〜〜〜って思ってしまったんだけど。
自分だったら事前にちゃんと対応できたかと考えると…どうだろう。
人に自分を委ねてオープンで居られるのは彼の良さだ。
これは勝手な想像だけど、彼はメレンゲのスタッフやメンバーを意味もなく信頼した訳じゃなく、本当に良い人達だと思って委ねてたと思う。私も良い人達なんだろうと思う。今回のは悪意とかじゃなく、ただ感覚が古かっただけだと思うし。
番組としてはもう一人のゲストがグラビアアイドルの方だったので、女性の身体美について高橋くんに語ってもらおうとこの話題を要求したんだろうなって、番組を見終わってから思った。
彼女が自身の身体美を保つため、ストイックな程に身体を鍛えてる人なのが分かって、自分のグラビア女優への見方も変わった気がする。
彼も美については身体的なものも含めいつも考えてるような人だし(変な意味じゃなく)、色気についてもすごく繊細に美的に捉えてる人だ。
そこを語るのは問題ないと思ったんだろう。
そして番組内と同じように、事前にフィギュアスケーターの中でならと限定されて理想の人を問われたんだろう。
ここで危険を感じられるかを、自分に置き換えて真剣に考えてみると。
…微妙だ。
自分が造形美として捉えてると尚更。
まず、あんなフリップが作られる事は絶対予想できない。
せいぜいお前スケベだなって久本さんの返しくらい。
…多分私も流れの中で危機感を持たないかも知れないと思った。ごめんなさい。
後からなら何とでも言えるけど、自分にない視点はなかなか想像ができないんだな。
TV文化とフェミニズムに意識が高い人なら違うんだろうけど…。
でも今回でよく分かりました。
今となっては、無遠慮に性的な視線で消費されがちな女子選手への配慮が足りなかったと言えると私は思う。(そして私が彼でも同じ失敗をやったと思う。)
でもまずはTV制作側の意識こそ変わってほしい。
その目線のない側のゲストが、制作側の行動の危険性を予測して、要求された話題でも断らなきゃいけないとしたら、やっぱりすごく変な世界だと思う。
現状そうなのでそうするしかないとしても。
高橋くんは他人への思いやりは人一倍強い人だし、実際に番組内でも彼のそうゆう姿勢はあちこちで出ていて、彼の他人への敬意ある姿勢や人の良さはよく伝わってきてた。
そうゆう人なので、際どい視線に他人が巻き込まれる危険が分かれば、事前に話題を提供する時に、また違う選択肢があるんじゃないかな。
通常、芸能人ならこの辺りは事務所が手堅くコントロールするのかも。
でも高橋くんはタレントではなく競技選手で、なのに今回のようなアイスショーではタレントさん並みに表立ってのPR活動が求められてる。
彼自身が選んだ道だけど、まだ誰もやってないお手本のない道。
今までのマネージメントのあり方で今後も大丈夫なのか、と思わなくもないけど、競技者の今は費用の問題もあるだろうし…。
彼は彼で、この事については考えてるだろうし、私がごちゃごちゃ思ってることも、何か勘違いがあるも知れないし、明日考えが変わらないとも断言できない。
ただ、自分の好きな高橋くんの良さは何も変わってないのは断言できます。
繕わない自分をそのまま出せる度胸、他人への気遣いと敬意、比較で人を貶めようとしない、自分の気持ちや意図を人に押し付けない、美意識の独特さと高さ。
やっぱり好きだなあ。
そして、この件が問題として一部が切り取られた事で、番組を見ていない人達が彼の本質的な姿勢を知らないまま問題を語り、彼への誤解が広がったかも知れないのは悲しい。
炎上とやらが起きるとままある現象のようで、「見てないけど」「聞く限りでは」で話を語る人達が大勢になって、そのうち結構な伝言ゲームになっていくものなんですね。
今までにも有名人の方で、何かしらで炎上し、必要以上に叩かれてるように思える人々を、気の毒やなぁと対岸の火事のように見てたけど、なんか呑気に見ててスマナカッタと思いました。
自分が元ネタを知らない場合は、もうちょっと緩やかな気持ちで人を見たいと改めて思いました。
どうしても何か言いたい時は、ちゃんと手間を掛けて、伝聞ではなく切り取られてない大元を自分で確認して、自分の頭で考えてからにしよう。
まあ、この話題も知らない人には何のこっちゃだし、現に自分の家族は誰一人知らない。
高橋くんはこれからも今までと同じように、誠実に他人に敬意を持って仕事をしていくだろうし、それがまた色んな人の目に触れていくだろうから、今誤解してる人でもそのうち解ける人もいるだろう。
信頼と信用
高橋くんの割と最近の言葉に、「人は人と思ってる」「信頼してるけど信用はしてないってゆうか」って(笑)付きで記事に書かれていたのがある。
その”信頼”する程度が珍獣レベルでの性善説と直接取材した小宮さんには言われる程なんだけども。
人は裏切るもんだ、人は結局は孤独だとも言っていた。すごく冷静。
悲壮感とかじゃなく、穏やかに軽くそう口にしているみたいだった。
最初の小宮さんが講座で仰ってた話に戻るけど、高橋くんは確かに純真と言っていいほどに人を警戒しないような気がする。してるかも知れないけど、基本的にオープン。
彼の場合、傷ついたことがなくてそうなってる訳じゃない。
今までいくつも手酷い荒波を被ってきた。
それでも意思を持って性善説で人を信頼して来た人なんだと思う。
そして、裏切られたとしても、まあ人はそんなもんだよなと思ってる。信用はしてない。のだそうだ。
???
この辺の思考は、ホントこっちの想像力の遥か彼方で、私としては驚愕するだけなんだけど…。
言葉だけじゃなく、実際に何度もそれを目撃してきて、やっぱりその度に呆然とする…。
不思議な強さだなあと思うし、それが出来るからこそ、あの表現の説得力なんだよなあと、とりあえず有り難くその才能の素晴らしさを享受してます。
有名なだけに、今までも色んな苦言も悪意ある不躾な言葉もたくさん受けて来ただろうと思う。
色んな目がある事を承知してて、それでも自分の防御を固めない事を選んできた人だし、自分の見解を人に押し付けないスタイルを貫いて、誰の事も責めようとしない優しい人だと思う。
今頃どうしてるだろう。氷艶の準備に必死かな。
どん底に暗い悲しい曲でも聴いて、元気でいてくれてるといいな。
7月、高橋くんのスケートに会えるのをめちゃめちゃ楽しみにしてます!
高橋くんガンバー!
追:番組内での高橋くんの手料理の手際の良さにビックリ!これで始めて1年経ってないの?なんかそのうち達人になりそうだー。