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「高橋大輔」を好きなだけ語るブログ

高橋大輔 沼への道 step21 LOTF

高橋大輔って人の演技を、自分がハマっていった過程で順に書いてみたくて、1年前に始めたこのブログ。
ガツン💘と来たのをめちゃめちゃ厳選して書いてきたのに、まだ現在に追いついてません。いっぱいあるなあ❤️そしていちいち細かく落とされてるなあ自分😆

今回のは3年前(2016年)のパフォーマンスで、スケートではなく、ダンス

LOVE ON THE FLOOR

高橋くんがNY留学から帰国して始めた仕事は沢山ある。

なかでも2016年のダンスの舞台LOVE ON THE FLOOR (LOTF)は、きっと高橋くんの人生にとっても画期的で、そして観に行っただけの自分にとってもすごく大きな出来事だった。
正確には、その公演が始まる前の練習を追ったドキュメンタリーを観た時にまずやられた。

前回の現役時代以来、初めて彼の目に輝きが戻ったと自分が勝手に思ったのが、このLOTFの時。✨

ロサンゼルス(LA)在住のダンサー、シェリル・バーク (Cheryl Burke) 演出・主演の、ダンスだけで見せるダンスショー
歌なし、セリフなし、ダンスのみ
この形式でストーリーを見せる公演を作り上げるのがシェリルの長年の夢だったそうで、練りに練り上げた彼女の夢のこの企画に、ぜひ高橋大輔が欲しいと、何年も前からオファーを出し続けてようやく実現したという舞台らしい。

最初にダンスの舞台に高橋大輔がゲスト出演って聞いた時は、不意打ち過ぎてなんのことやら分からなかった(笑)
まずゲストってどんな立ち位置?とか、ダンスってどんなダンス?とか色々。

事前情報では、出演者はシェリルの他、LAでのオーディションから選抜する世界のトップダンサー達(2016年は8名)、アメリカのTVでダンス番組出演を経験しているフィギュアスケーター、クリスティ・ヤマグチ、アイスダンサーのメリル・デイビスチャーリー・ホワイト
そして高橋大輔

2016年6月下旬からの公演日程で、ダンスの練習は4月にLAで始まった。
この過程を有難くもTBSチャンネルが、密着ドキュメントという形で映像に残してくれました。

高橋大輔 in LA 2016 (初稽古から本番初日まで完全密着スペシャル)

練習初日から撮ってたけど、練習というか、いきなり振付で始まるという荒技でした!
も、もうちょっと丁寧にダンスの基礎練習とかやるんだと思ってたよ。
え?そんなすっ飛ばして始まっちゃうの???って見ててビックリ。
高橋くんもビックリした事でしょう(笑)
ダンスは初心者だって事前に何度も自己申告してらっしゃいましたのに。
高橋大輔のスケートを知っているシェリルから、それだけダンスセンスを信頼されてたって事なんだろうか?

TVで見てただけの自分には、高橋くんは殊に踊るって事については天才にしか見えないんだけど、画面の向こうのご本人はどうも不安そうな様子。

多分、彼の中にちゃんとしたダンスは未経験という気持ちがある上に、いきなりエンタメの本場のトップダンサー達の本気の稽古に放り込まれた訳で。それは確かに、…想像するだけでもしんどいな。
よくそんな状況の初っ端から、カメラを回して放映する事を承諾したなあと、まずそこに驚く。
良い所を見せようなんて、全然考えてないらしいオープンさ。
…好きです。

でも結果的に、どんな状況でも食らいついていく真面目さとか、周りからどんどん吸収する素直さとか、良い所ばっかり見えてきてギュイーンと撃ち抜かれるんですけど。
好きです。

技術に対してすごく誠実で貪欲に努力する人だなって、練習の過程を見て改めて思った。ああこの姿勢が、あの世界屈指の表現技術を生んだんだ。

表現への理想が高い分、自分の技術に自信が持てないと、それが気になって仕方がないのかな。見る目があるから基準も高くて、なかなか自分でヨシと思えず自信が持てない、そんな感じに見えた。
氷の上でならもっと楽にできる、沢山の技術的な事、自分の理想の動きと現実との葛藤が、舞台の上にはあったんだろうな。

そう言えば、彼は氷上では止まって踊る事がほぼない。
つまり滑る事を止めてその場に留まって身体を動かすって事があまりない。(アイスショーの群舞なんかではあるけど)
スケートのスピードとエッジの傾斜を最大限使って踊る。
スピードがあるからこその傾けられる身体、遠心力、その強味を活かした動き方。
そうやって、それぞれの部位で音楽を見せてくれるのが、観ててとんでもなく気持ち良いんだけど…、あれはまさにの域のスケート技術の賜物なんだな。
スケート技術とか踊りの技術とか音楽へのセンスとかが自然に一体化し過ぎてて、あんまり分けて考えてなかった。

実際ご本人が、足元がスケートとは全く違って苦労したと話されてたけど(この1年後のNHKの取材(シブ5時)中)、裏を返せば、高橋くんがいかに「スケート」の技術を最大限活かした動きをしていたのかって事なんだな。

図らずも、陸で理想通りに動けないと落ち込む高橋くんを見て、どんだけ高橋くんのスケート技術が凄いものなのかがよーく分かった気がする。
高橋くんにとっては、陸と氷で足元の技術が雲泥の差になるんですね。(氷の方がスゴ過ぎて)

でも曲に乗せて、上体だけ動かして見せるプロモーションビデオを撮った時の動きは、本来の彼の演技力、音楽を自分に取り入れてそこから何かを飛ばしてくるような、あの不思議な能力をビシビシ感じた。
シェリルと、振付のジェリー・スロッター、ポール・モレンテ(とカメラマンやスタッフ達)に側で見守られる中、一瞬で自分を投げ出して世界に入り込み曝け出せるあの能力。
世界中の一流の表現者達を見てきただろう3人が大興奮!
い、いいなあ。あれを間近で見守れるなんて…!羨ましいいいいい!

氷陸関係なく、既に確かにある、そうゆう自身の優れた表現能力に自信を持っていれば、例え苦労する部分があっても、もう少しハッタリをきかせられると思うんだけど…。
けど。高橋くんは、そもそも自分のスゴさの方は理解してない所がある…よね。

この時もダンサー達、特にシェリルさんには「あなたは凄い能力があるんだからもっと自信を持って!」って随分言われたみたいだけど、どうも根本的には分かってないような…。どうなんだろう?

確か舞台挨拶でシェリルが「ダイスケは本当に素晴らしい才能だ」みたいな事を言った時も、「こうやっていつも励ましてくれるんですよ。みんな優しい」ってニコニコ応えてたからなあ。
人からの賞賛の言葉を、親切な励ましだと捉えるんですね(笑)

舞台を観ての感想

舞台前の練習ドキュメントだけで感慨深かったけど、実際イザ本番の舞台を観たら、もうウオォォォーーーってなってるだけでした。
シェリルも、他のダンサー達も、メリル、クリスティ、チャーリーも、そして高橋くん!

ダンスだけの表現って、解釈が広いし想像(妄想)が広がるし気持ちが揺さぶられる。
自分が事前に想像してた以上に、ダイレクトに感情が伝わってきた。

一つだけ演目の感想を上げると。
高橋くんがメインだった演目の一つに"Experiment"(実験)というのがあった。

これが…!
ヤラレタ。

静寂の中、理性を失った獣のような目で客席を動き回るダンサー達を、舞台上の高い箱の上に立つ高橋大輔が一人微動だにせず睥睨しているという、異様な雰囲気で始まる演目。

突然、ダンサーの一人(Jaymz Tuaileva)が大声で掛け声をかけ、その途端一斉にダンサー達が舞台に駆け上がっていく。ビ、ビビる。

それまで好き勝手に動いていたダンサー達が舞台に集まると、音楽(Apollo 440 - Time is Running Out )が開始。途端にバッと隊列になって、操られたように動き出す。
その操ってる人が他ならぬ高橋くん。そう思わせる圧倒的な支配性。
激しく動き回るダンサーに対して、台上の高橋くんの動きは最小なのに、出てるオーラが完全に支配者

操られながらも恍惚の中にいるようなダンサー達に対して、一人冷たい目で、ダンサーに負けず劣らず妖しい熱を出す高橋くんの動きが…、あれは、えーっと、なんだろう?
なんか畏怖。怖い。でも吸い寄せられる。惹き付けられて、離れられない。

当たり前だけど、ドキュメンタリー中の練習序盤で見せた戸惑いの表情の人とは完全に別人。あまりにも別人。
底知れないにも程がある。この人怖い。(=好きです。)

この高橋くんの人間じゃない感じと、その下で動き回るダンサー達の、彼を畏れるような彼に吸い寄せられるような、操作されてるようで欲のままにも見える動きとゆうか蠢きの対照が、なんとも言えない異界感で、何かが抉り出される感じ。
怖いってば!(=好きです。)

あの濃密な空気の震えに、「ああ、ずっとこれが見たかったんだ」って思う。

この"実験"だけじゃなく、この舞台は"LOVE" を核にした色んな感情の場面があって、どの演目もそれぞれに引き込まれた。
始まる前は知らなかったダンサー達一人一人の個性にも夢中になったし、ダンスってこんなに楽しくて、こんなに感情を掻き回されるものなんだって思いました。

会場の雰囲気

ところでこの公演、エネルギーの大きさはダンサー達だけじゃなく、観客もなんかすごかった。

LOVE ON THE FLOOR 2016は、自分が生まれて初めて生の高橋大輔って人を見に行った公演だけど、会場に足を運ぶのって、演技を味わうだけじゃないんだなってつくづく思いました。
会場を味わうんですね…。
会場がスゴイ。ビックリした。

自分も含め、一人で来てる感じの人もそれなりにいるのに、なんであんなにエネルギーと一体感に溢れてるの…?
特に千秋楽は、私は相当後方の3階席だったんですが、見下ろした前方の席の人々の熱気が視界いっぱいに入って壮観だったんだけど、後方からの熱気もスゴかった。ほとんど席がないはずの後ろから、なんか声と空気の圧力が…?と振返れば立ち見の方々!(笑)
観るというレベルを超えた、なんだろう、体感する、参加するみたいなパワーを会場の隅々まで感じました。

何より高橋くんのエネルギーがキラキラしてて、ダンサー達の気持ちがキラキラしてて、それがボロボロ涙出るくらい嬉しかった。
シェリルが泣いてて、高橋くんが泣いてて、メリル達が泣いてて、ダンサー達が泣いてて、自分が泣いてて、客席のアチコチが泣いてて。
あの幕の最後の時間は、嘘みたいな夢みたいな空間だったな。
会場に行くってこうゆう事なのかって思った。
時間と空間を共有した気持ちになるって、すんごい幸せなんだなあ。

 

2年目の2017年のLOTFでは、足技の多い演目でも才能が活かされるようになってて、1年でこんなに変わるのかってびっくりした。1年目のLOTFも楽しかったけど、2年目のLOTFでは余裕を感じた。
2回目で余計な事に気を取られる事が格段に減ったから、というのもあるのかな。

特に、バナナの演目(※バナナは正式名称じゃないけど正式名称忘れた)のコミカルな力の抜けたキレ具合(どうゆうこと…?)が絶妙😂
演目ごとにキャラクターが違って、格好良さ、切なさ、熱情、朗らかさ、苦悩、軽妙、畏怖、純真…など。あ、あと胡散臭さ!(バナナ)
それぞれに違う個性がすごく伝わってきて観てて楽しかった。
高橋くんてカメレオンだ。
好きです!

LOVE ON THE FLOOR は2016も2017も、とてもとても楽しい経験でした。
また「やりたい」な。(「見たい」ってゆうより。いやまずは見たいんだけど。)

 

LOTFは、高橋くんの感想だけでこの長文なので、他のダンサー、スケーター達については省いているけど、間違いなく彼等のパフォーマンスが極上だったからこその舞台の面白さ、でした。