はてはてマーチ

「高橋大輔」を好きなだけ語るブログ

テン君

何を書いても本当の気持ちとは少し違う気がする。
それでも書くのは少しでも気持ちを整理したいから。
自分のために書く。

カザフスタン代表、デニス・テン選手。

彼が発信するSNSからは、物事を深く考え広い視野を持ち、センスの良いユーモアを持つ、温かい人柄が伝わって来る。
そしてとても素敵なスケートをする。

今までもそしてこの先も楽しみにしていた人。

才能あふれる若い彼を、理不尽極まりない理由で失ってしまった。

自分が応援していた自分よりも若い命を、こんな風に見送らなければいけないなんて、そんな経験は初めてで、時間は巻き戻せないというこの世の当たり前の現実に、どうしようもない怒りを感じる。

どんなに崇高な人でも、才能に溢れていても、将来を嘱望されていても、若く生命力にあふれていても、沢山の人に愛される人柄でも。確かな未来の約束はないんだ。それが現実だ。
誰にも。もちろん自分にも自分の大切な人にもどんな人にも。

世界は不条理で人間は愚かで神様はいない。

でも

テン君は人間を愛して世界を愛している人だ。

“Every person has a heart and that makes them special.”
すべての人に心があり、それが人を特別なものにする(意訳)

テン選手の言葉の引用として、一昨日の晩カザフスタンの街角で繰り返し流されていたという映像をカザフにいる方がSNSに上げてくれていた。

今だってまだ25才。
テン君がこの言葉を使ったのがいつなのか分からないけど、この若さでこの聡明さだ。

心がなければ辛い思いもしなくて済むけど、心がなかったらテン君のスケートにも出会えなかった。数々の美しい演技を愛する事もできなかった。だからやっぱり心は大事だし大切にしよう。

思い出させてくれてありがとう。

その言葉を、心の中に大事に置いておきます。

 

自分にとってデニス・テン選手は

高い理念を感じさせる人だ。
そして理想をストイックに追求しようとする人だと思う。

スケートだけに留まらない芸術的才能にもあふれてる。
作曲までするのには驚いた。歌声もきれい。
絵心もある。言葉も詩的。

人と人を結びつける能力も高くて、人を統率するリーダーとしての力がある。

自国でのアイスショーDenis Ten and Friends」での企画力、ゲスト達のもてなし方が、伝え聞くだけでも本当に細やかで、観客やスケーター達を大切に第一に考えているのが分かった。
それを実践するのに、どれだけ入念な準備が必要だったのか。
アイスショーの間もこまめにSNSで情報を発信してみんなを楽しませようとしてくれた。
ショーを観に来るお客さんだけでなく、ただ遠くから情報を楽しみに待っている自分のような人も含めて、心から楽しませようとしてくれたんだ。

丁寧に手が込んだとてつもない量の準備をして、ショーでは主役としての責任を果たしながら、疲れた顔を見せる事なく、にこやかに、心から楽しそうに人のために尽くしてた。

フィギュアスケートというスポーツがごくマイナーで環境も整っていなかった祖国で、それを根付かせるための活動に尽力していた。現役選手としての忙しさの中で。
2022年に向けてのオリンピック招致活動でもアイコンとしての役割を厭う事なく果たしてた。自分の選手としての練習時間を大幅に削られただろうに。

活力に溢れてて好奇心が強くて、お茶目でやんちゃな少年のような顔も、人懐っこいけど少しシャイで、はにかむような可愛い笑顔も持っている。
日本のアイスショーに来るといつも楽しそうに、一生懸命盛り上げ役をしてくれる。

人のために何かをするのが好きなんだってすごく伝わって来る人だ。
スケートからもよく分かる。
観ている人を楽しませようとする姿勢は、まだ少年の面影のある十代の頃からずっとそうだった。

ただスケートが好きなだけの自分でさえ、ここまで伝わってくるテン君の美しい人格。
見習うにしたってどこから手をつけて良いか分からない。
本当にあらゆる方面にカッコイイ人なんだ。

もちろん誰もがそうなように完璧な人ではないし、スーパーマンにして崇め奉りたい訳じゃない。
でも、良い人になろう、良い人であろうと、いつも前を向いて進んでいくような姿勢を感じてた。尊敬してる。とても。

親しみやすい愛嬌があって、もしも側にいたら友達になりたいって思うだろうなっていう、自分に見えるテン君は、そんな人だ。

テン君。
こちらは勝手にこんなにたくさんのものをもらっているのに、こちらからの言葉はやっぱり見つからない。
ただ、ありがとう。

 

気持ちの整理はやっぱりつかないけど。
それでも書かなかったよりはよかったかなと思う。
支離滅裂だけど、このままで。

いつかちゃんと書けるようになったら、また書きたい。