はてはてマーチ

「高橋大輔」を好きなだけ語るブログ

高橋大輔アイスダンス転向への(自分の)ワクワクの元

関西テレビのプロデューサー居川大輔さんが書いた高橋大輔選手の本「誰も知らない高橋大輔」(角川文庫)を読みました。
感想はいっぱいあるんですが、まずは序章の居川さんの文章を読んでて突然気づいた自分の気持ちを、どうしても書きたい。

本への感想というより、本をきっかけに、アイスダンス転向について自分に沸き起こった気持ちの元に気づいた話。

寂しさとワクワク

高橋くんが来年アイスダンス競技に転向するという話を初めて聞いた時は、情報とほぼ同時に高橋くん達の笑顔の映像が流れてきたのもあって、感化されて楽しみにする気持ちもあったんだけど。
その後、急にどうしようもない寂しさが出てきた。
転向が不満とかじゃなく、自分の高橋大輔のシングルの世界への溺愛からだと思う。
何だか夢中になって自分が眺めてた美しいものを、急に取り上げられるような不安があった。実際は全然そんな事じゃないんだけど…。

でも、高橋くんとパートナーの村元哉中ちゃん本人達の言葉が、メディアでたくさん伝えてもらえて、また段々とワクワクする気持ちが増えていった。
高橋くん、哉中ちゃん、報道各社の皆様(特に密着していたフジTVスケート班と二人一緒に生放送で招いたNHKサンデースポーツ*1🙏)、本人達の表情と言葉を早々に教えてくれて、ありがとうございます。

新しい世界への挑戦に目を輝かせている二人を見て、彼らの挑戦を見届けたい自分の気持ちがグングン膨らんだ。

ワクワク

高橋大輔の新しい世界を見られる。
そのワクワク
でもそれは、私にとっては高橋選手がシングルをこの先続けても、実は同じだ。
いつも新しい世界を見せてくれる人だと思ってたし、思ってる。
高橋大輔がシングルを続けるなら、また新しいシングルの世界を見られる。
毎年どころか毎試合新しくワクワクする。
アイスダンスはもちろん新しい世界だけど、新しさだけなら自分の中ではそんなに違わない。(いや競技違うからだいぶ違うっちゃ違うんだけど)
でも高橋くんがワクワクしてることが一番嬉しいので、やっぱりワクワク

でも話を聞くにつれ決定的に違うワクワクが出てきた。
それは多分、沢山のメディアが食いついたのと同じ部分(笑)。

高橋大輔、もう一度世界を目指すって事。
正確には世界を目指すことを視野に入れて始めるって事なんだけど。

シングル競技の世界では、高橋大輔が世界を目指す事は、この先ないように自分には見えてた。
昨シーズンを経て、今シーズンはもう少し上を目指すのかなと思ったけど、今年もあまりそうゆう気持ちはなさそうだった。(あ、アイスダンスの打診があったからかもだけど。)多分、競技者として世界のトップレベルを目指せない限り、出場に躊躇いがあったのかなと思う。

もちろん、メダル至上主義な意味じゃなく、かつて散々そこで戦った自分が、メダルに絡まない位置で、自分の挑戦のためだけにそこに向かっていいのかって気持ちがあるんじゃないかと思う。
それよりは、後輩に世界で戦う醍醐味を味わって力をつけて欲しいという意味で。

勝てないなら現役をやるべきでないと、かつては考えていた人だ。
その呪縛は2017年の全日本で解けて彼は復帰を決めた訳だけど、世界に出る日本代表となるとまた話が違うのかも知れない。

「自分のスケートを取り戻したい」と現役復帰した高橋くん。
多分技術的な事だけじゃなく「スケートが好きな気持ちを取り戻したい」ってのもあったと思う。
そして競技者として挑戦する中でそれを取り戻した。
でもより大きな舞台(国際大会)での挑戦は、彼には気持ち的に出来ないみたいだった。日本の男子シングルの競技の中では。
自分の挑戦で若手の未来をできるだけ邪魔したくない。
それは我慢とか自己犠牲じゃなく、高橋くんの性質なのかも知れない。

昨季世界選手権出場の打診を辞退した会見では、まずは自分に世界で闘うだけの覚悟がないと話し、若い人たちがどんどんレベルアップして欲しい気持ちが、自分が活躍したいという気持ちと同じくらいある、と言っていた。

必死に努力を重ねて自分の力で得た挑戦の権利に、自分で気持ちの上での資格を考えたり周囲に遠慮したりする必要はないって、私は思ってるけど…。
周りを細やかに見る人で、競技の発展を心底願う人だからこそ、自分の行動が後進が育つ邪魔にならないかって考えてしまう気持ちは、すごく分かる。

制限なしの挑戦

でも、アイスダンスでは、出来る出来ないじゃなく、とにかく世界を目指す。
未知数だからこそ上へ上へ。きっとかつてシングルを始めた頃のような気持ち?
それが、めちゃめちゃワクワクする。
先が見えない、予想できない、でも彼等が全力で向かっていくのだけは分かってる。そのワクワク感。

この世界なら、それぞれが頑張ればまだ代表の枠も増やせるだろうし、高橋くんが出る事で後輩の邪魔になるどころか、活性化する期待の方が先走ってる感がある。

勝てる覚悟がなければ世界に行くべきでないなんて、ここではない。
むしろ実力云々の前に世界を目指す気概が必要だと、自分達を鼓舞してる感じがすごく嬉しい。
ああ嬉しい。

これは嬉しいぞ。

勝つところが見たいのかと言われると違うと思う。
でも大舞台に挑戦するところは見たい。
より大きな高みを目指す目が、キラキラしていたらそれが一番嬉しい。

嬉しい!


と自分が勝手にスッキリしたところで。

 

まずは今は、高橋選手が見せてくれるシングル競技のラストプログラム達に集中します。

The Phoenix!
Pale Green Ghosts!

ホントはアイスダンスの話は今年中はもうしないつもりだったのに、居川さんのせいでついうっかり。(いいえ自分のせい)

初戦の西日本大会までは、とうとう後一週間を切ってしまいました。
全力で、全身全霊で、高橋大輔の世界を目に焼き付けます。
(まずはツイッター情報を当てにして、そっから心眼で)
(でも地上波民の為にきっとフジスケさんが頑張ってくれる!!はず!!!)(🔥念🔥)

 

おまけ
「誰も知らない高橋大輔」の感想

知らない話が沢山あった。
伝えてもらえて嬉しい。
共感するところも新鮮なところも。
全体的にすごく興味深かったです!

ええっと、ただ、
あんなに素晴らしかった2011-12年のVasとブルースのシーズンに全く触れていないのは…?
ニコライと再タッグを組む前に、高橋選手自身の力で鮮やかに復活したあのシーズンを。
2013年11月のNHK杯の貫禄の優勝も、全く触れていない。(ソチ五輪に行けたのは実質的にこの時出したハイスコアのお陰でもあるから、五輪出場に関しても大きな試合だ)
話の流れで四回転ジャンプの話をずっとしてたんだし、大怪我後に鮮やかに四回転を決めていたあれらの試合は、とても大きな意味があると私は思うんだけどな。
バンクーバーからの4年間にあった、彼が実際に成し遂げた大きな成功を、まるで無かった事にされるのは、高橋大輔のスケートを愛するファンとしては、不満だ。笑

でも、彼の音楽的センスや踊りを魅せる才能に惹きつけられたファンとしてではなく、一人のスポーツ選手、一人の青年として高橋大輔に魅せられた人のファインダーはこうなるのかと、新鮮な部分が沢山あった。

上手く行ってる時よりも、上手く行かない時の彼の言動こそ、クローズアップしたくなる所があるのかな。彼の人としての魅力と本質が見えるから。
格好つけない格好良さ。それがとても伝わってきた。

2013年の全日本後のインタビューの情景は、私がTVで見た情景とは違う。
昨年2018年の全日本の後での話も、私の記憶と違う。
SP2位でフリーの前にもしかして…?と欲が出たと彼が言ったのは、表彰台の事であって優勝ではなかったはず。宇野くんの事は別次元だと何度も言ってた。

だから、結構あちこち居川さんの勘違いもあるんじゃないかなあと私は思うけど。
そうゆう細かいちょっと違うんじゃと思う部分はあったけど、でも私も自分の印象と解釈で勝手に記憶違いをしてる事がよくあるし、これはこれで居川さんから見えた一つの見方なのかな。
なるほどなあって、結局すごく面白かった。

そしてカメラマンの松田さんと歌子先生の話がめちゃめちゃ面白い。
結構意表をついた話なのに、ものすごく情景が目に浮かぶ。すごくそうだろうなと想像がついて笑ってしまう。
高橋くんてホント、奥が深くて面白い人だなあ。

また何度でも読みます。
素敵な本を、ありがとうございました!

*1:転向発表後すぐのサンデースポーツ出演時の内容

www3.nhk.or.jp