はてはてマーチ

「高橋大輔」を好きなだけ語るブログ

LUXE 黒い鷲 村元哉中/高橋大輔,平原綾香

いかん、ヤバイ、どうしよう。LUXE、書きたい事がどんどん出てくるー。でも今日のところはまず大好きな「黒い鷲」に集中します。

前回書いた「ナルシス」はうっかりは見返せないと言うか、ちょっと自分にも心の用意が要る。(見るけど、用意して、何度でも。)
対して同じアイスショーLUXE中の「黒い鷲」は、いつでも隙あらば際限なく見たい。
平原綾香さんの歌声のせいもある。とにかく全てにウットリ。

LUXE Act.1 scene5 Rêves -夢-
「黒い鷲」歌:平原綾香,
スケート:村元哉中/高橋大輔

公式HPのシーン解説によれば
シャンソンの名曲に乗せて煌びやかな宝石たちが贈る、夢のクリスタル・レビュー”

ダイヤモンドの歌手・平原綾香シャンソンを次々に歌い、宝石になったスケーター達が曲に合わせて滑るシーン。「黒い鷲」はそのうちの一つで、平原さんの艶やかな低音で、アイスダンスカップルの村元哉中/高橋大輔 組が踊る。
ちなみに、二人の表す宝石はブラックダイヤモンドらしい。

LUXEは本当に久しぶりに、元々シングルスケーターの高橋大輔さんのソロ演技を堪能できたショーでもあって、ホールドなしで自由に全身で空気を動かす高橋くんのスケートが、飢えた五臓六腑に沁み渡って大歓喜だったんだけど、この黒い鷲への自分の中毒度たるや、自分はアイスダンサー高橋大輔のファンでもあるんだな。そして”かなだい”のファンなんだなあ。
高橋くんとパートナーの哉中ちゃんとで醸す空気の質感に見惚れました。

つい先日(9月3日、4日)二人の今シーズンの初戦があったけど、あの驚く程進化した二人の一体感ぶりは、この時から生まれてたんだって、それがすごくよく分かった。
特に、フリーのラ・バヤデールの高橋くんの目を見張る堂々王子っぷりは、ここが原点かって。

だってびっくりしたんです。あの高橋大輔さんがここまで、ここまでここまで正統派王子様になれるとは!!!(あれ?なんか失礼?)
いや、今までも四大陸の月光の衣装とか月光かりの光る君とか、LUXEオープニングでも光の王子やってるし、どれも素敵な王子っぷりだったんだ。けど、なんか蔭があるとか、奔放なマイペースっぷりだったりとか、こう、なんかしら正統派とは言えない癖があったように思うし(それがとても高橋くんの味わいで魅力的になってたとも思う)、王子は王子でも若干一匹狼的はみだし感があったような。

でもこの「黒い鷲」では、逞しくて包容力のある少女漫画的(多分昭和?)王道王子様に見えた。キラッキラの「貴女を連れ出しにきましたよ!」感たっぷりの颯爽感半端ない、白馬だって乗れそうな王子様。あの高橋くんが!(あれ?やっぱりなんか失礼?)
えーーっと、つまり、
それまでと違う新しい素敵さ加減が爆発していた!と言いたいのです!

これはやっぱりアイスダンサーとして、1年半の間パートナーを守りリードする役割を徹底して身につけてきたところからも来るんだろうな。相手と組んでも組まなくても、身のこなしが雄大で包容力に満ち溢れてる。
そう言えば包容力って相手あっての言葉だけど、一人で滑っててもそれが全開で出てる。身を委ねて安心だと思わせる、あれがあの堂々たる王子感なのか。
そしてそれが、その後の2シーズン目の高橋くんのリードっぷりに繋がったのか。なるほどー。

とにかく身体の使い方が、一段と端正で目を引く。
なんですかあの足は。なんですかあの腕は。なんナンデスカ!

どこもかしこも好きだけど、特にあの、両腕に風を受けながら片足だけで旋回する姿の美しさ。美しく後ろにあがった右足が、鷲が旋回する時の不動の尾羽みたい。
前姿も後ろ姿も横も斜めも(多分上からも下からも)完璧!ため息。

これは、つまり今までの高橋くんの数多あるカッコイイにさらに新種のカッコイイが増えた、と。カッコイイの幅が更新されていた、と!うんうん。さすが、常に最新が最高マン!
そう言えばナルシスのあの雰囲気も新しいですよね?…スケート歴28年目にして複数新境地の大開拓…。震えます。

そして、村元哉中さーん!
高橋くんが少女漫画の王子様的に見えたのは、哉中ちゃんが少女漫画の主人公に見えたからでもあるのです。
オトナな黒のドレッシーな衣装を纏いながら、自由の象徴みたいな鷲(高橋くん)に純粋な憧れを見せるのが少女みたいで可憐ったらない。でも無邪気な無垢さってより、何か重たいものを抱えながら強い意志で空を見上げる女の子みたいな。
舞い降りてきた王子様に、探してた宝物を見つけたように全身から思慕を溢れさせてキラキラと輝きだす。ああ綺麗。可愛い。守りたい。

高橋鷲が後ろから哉中ちゃんの肩に触れた時、その部分から何かが哉中ちゃんの身体を通り抜けて彼女が動き出す、みたいに見える。あの、なんか二人の間の繋がりが錯覚ではっきり見えるみたいな、エネルギー伝導みたいな、あれがすごくアイスダンスを感じる(アイスダンス素人の目線)。
離れてても組んでても、間に連動する空気が見えて、はあぁうっとり。

そして、二人ともあんなにキラキラした目で惹かれ合いながら、後半になるに連れて触れそうで触れられない踊りになっていくのが切ないであります隊長!
最後は一人自由な大空へ飛び立って行ってしまう黒い鷲(高橋くん)。
平原綾香さんは「悲しそうに消えた」って歌ったけど、その後に続く「空へ」の歌声は力強くて雄大で、そこで飛び立つ鷲は伸びやかで自由だった。

そうだね、自由な大空でこそ輝く生き物だものね高橋くんは…。でも一緒には飛び立たなかった彼女も、鷲の自由を知って以前の彼女とはもう違う………っていつの間にか画面前の演技と妄想がごちゃごちゃになってポエムってしまう(笑)。それくらい二人の、いや平原さん入れて三人だ(もっと言えば舞台装置全部)、彼らのつくる世界に連れ込まれた。

にしても、あの平原綾香さんの素晴らしくゴージャスな歌声。この作品にこの声の存在は本当に大きい。貫禄と愛情と。スゴイなあ。声に確実に人を動かす力がある。脳への浸透力が強大で、頭の中にずっと響き続ける。
それがまた、地に足のつかない空中ブランコから歌ってるのがスゴイです。あ、人間じゃないなって思う(笑)。素晴らしいダイヤモンドの歌手でした。

あと三人とも衣装極上ー。
あのふんわり袖と襟元のジャボ(と言うらしい)にキュッと締まったジレって、最強。
更に緩めにくくった高橋くんの髪がまた!奇跡!奇跡のビジュアル!
そして哉中ちゃんのレトロな黒ドレスに、あの髪の、豪奢版ヘアバンドみたいなアレ。素敵って言葉を擬人化するならこの哉中ちゃんになるでしょう、ってくらい、素敵!
平原さんの真っ白にキラキラのゴージャスさも、まさにダイヤモンド。特にあのティアラみたいなのと両手につけたアクセサリー。女王感というか、この世に君臨してる感がある!
衣装の豪華さは氷艶シリーズからとんでもなかったけど、LUXEの今回はプログラム毎に一番合う衣装に次々着替えてて最高が極まってる。

パフォーマーとして

カップ村元哉中高橋大輔組の新しい良さと、長く培ってきた高橋くんの真髄、哉中ちゃんの良さが、素敵に構成されつつあると思った。
そりゃこれを見たら今後へのワクワクが止まりませんね。実際、その後の今シーズンの試合では、この時の空気が見事に結実して更に進化してた。
昨シーズンのアイスダンスの経験がこのLUXEに、特に「黒い鷲」になって、そこからまた今季の競技での進化に繋がってる。

LUXE前の高橋くんへのインタビュー*1では、現役選手ながらアイスショーに精力的に取り組む事についての問いに、「今回の経験がどこでどう活きてくるかわからない」けど、「フィギュアスケートを続けていく上で絶対にプラスになる」と思うと答えてた。「試合もアイスショーも全て同じくくりだと考えている」とも。
出来るだけ長くパフォーマーとして生きると決意した高橋くんの、全方位全力な見事な実行例を、早くも見せて頂きました。幸せ。
パフォーマーっていい言葉だな。エンタメでもスポーツでも。
にしても、答えの回収が早いー(笑)

*1:SPICE(2021,5,2)の記事

spice.eplus.jp