大興奮のスケートアメリカ(スケアメ)でした!!!
フィギュアスケートGPシリーズがついに開幕となり、その初戦のスケアメ。
注目の選手はいっぱいいるけど、自分の時間の都合により、まずはとにかく大ファンであるアイスダンスの村元哉中/高橋大輔(かなだい)チームを観るのに必死だった。笑
でもかなだいだけでも公式練習時から、海外からも含め膨大な量の情報!いかにも国際試合って感じでこれまたテンション爆上がり!
そしてまずはプログラム初お披露目となった、フリーの「オペラ座の怪人」の感想から叫びたい!
村元哉中/高橋大輔 22-23シーズン
フリーダンス(FD)「オペラ座の怪人」
振付:Marina Zoueva/ Ilia Tkachenko/ 小㞍健太
好き!
やってくれました!!
なんっとゆう魅惑のオペラ座プロ。
切なさと痛みと愛しさとあとなんて言えばいいか分かんない何かで胸がグワングワン締め付けられる。苦しくて苦しくて…幸せだ!!!
高橋くんと哉中ちゃんが紡ぐ物語に、一瞬で吸い込まれました。
だってこれ、アイスショーじゃないのに。競技会なのに。
筋書きのないスポーツのドラマだけじゃなく、磨き込まれた作品の、舞台のような演技としてのドラマにガンガンと感情を揺さぶられる。なんて贅沢なんだ。
これだ。これなんだ多分。
私が今まで高橋大輔のパフォーマンスを追いかけずにはいられなかった理由の一つは。
観る前と後で、自分の感情の幅がまったく変わってしまうような体験。
それを、二人で組むアイスダンスだからこそ出来る表現で魅せてくれました。
アイスダンスたった3季目で、哉中ちゃんとのアイスダンスでもついに!ついに!
😭😭😭😭😭😭😭😭😭😭
冒頭から鷲掴まれる。
怪人のマスクに手を置くポーズからの一連の動き。
高橋くんのあの繊細さ、柔らかさ、そっから醸されるなんか底知れない恐ろしさ。公式練習でのより更にシームレスでゾワッとした。何がどうなってるんだ。
そして哉中クリスティーヌの、同じく柔らかで繊細な動きから、緊張と脱力の両方を感じる、怯えと操られ感がまた完璧!
〜からの羽ばたきリフトーーーーー!
まさにファントムの力でクリスティーヌが世界に羽ばたいていくような。
オペラ座の舞台の眩しいスポットライトが見える!
哉中ちゃんがマリーナ・ズエワコーチに、”カナ、私ビジョンが見えたの!" と、競技続行が決まってすぐに電話で言われたのが、この出だしにコレオステップを持ってきてストーリーを見せることだったそうですが。
さすがズエワ御大の予知ビジョン、最高です!
点数的には、コレオが先に来ちゃうと、疲れてくる終盤にエッジ判定などが厳しい要素をやる事になって大変なんだそうですが、で、実際今回の試合でも、エッジが甘くなって取りこぼしもあったっぽいんですが(自分は世界に浸り込んでて気づかなかった)、でもでもでも!やっぱりこの始まり方が好き!!!
ありがとうございますズエワ様!はっきり言って天・才!
In The Loopのツイートで見たインタビューによれば、哉中ちゃんもこの最初がお気に入りだそう。ですよねーーーーーー!
それにしても、まさかホントに、たった4分に、こんなにもあの世界の真髄を入れられるとは。
舞台ミュージカルでも2時間超の作品。あらすじをなぞって演技するなら当然4分では終わらない。
でもかなだいチームならなんかやってくれると勝手に思ってたけど、そうなんだ、こんなアプローチでこうなるんだそうなんだ。なんて鮮やかな手法。
一冊の小説から一編の詩に作り変えたみたいな。
詳しい説明がなくても、その世界観が想像で宇宙のように広がる。
ズエワさんには詳細なコンセプトがあるようだったけど、かなだい二人がそれに囚われ過ぎてないようだったのもなんか安心した(笑)。
受け手が自由に解釈する余白。その幅が無限に広がってて、見る度に、ああも見えるこうも見えると、何度も噛み締めながら楽しんでます。
初戦の荒削りさがまた怪人っぽさに繋がってる気もするけど、これから滑り込んでどうなるかもまた楽しみでしかたないー!
観客の歓声
観客の盛り上がりも印象的な大会だった。
日本はコロナ禍以来声も出せないけど、やっぱり歓声があるのっていいなあ。
かなだいの二人も大人気の大歓声でした。
このアメリカの会場にも、かつて世界王者にもなったシングルのあの高橋大輔の栄光を覚えてる人は沢山いただろうけど、ネームバリューは諸刃の刃だ。むしろあの高橋大輔だからこそ、期待を下回ればがっかりされる。
それに、高橋くんがチャンピオンになったのは10年以上(!)前なので、彼が誰だかは全然知らないで見てる人も沢山いたっぽい。
そしてあの演技中や演技後の、盛大な歓声。
その上、スコアが出た時の得点の低さへ観客からのご不満表明まで出ちゃった(要するに点数へのブーイング・笑)のは、正真正銘、今回のアイスダンスの村元/高橋組、かなだいの演技を気に入ったからこそ贈られた賞賛。
RDでもFDでも愛されまくってて、自分の脳内では「私も!私も!このチーム大好き!!」って会場の人達とハグして回りたくなってた。
スケアメは確か、17年前(!!)に高橋くんシニアGP初優勝を飾ったコンペで、あの時も当時まだ無名だった高橋選手のステップに観客が沸いて、スタンディングオベーションで讃えられたんでしたよね。
フィギュアスケートを愛する温かくて熱い観客のスケートアメリカ。かなだいがここに出場できて本当に良かったなあ。
リズムダンス(RD)
Conga is Gonna Get You 他
RDも、ついに完成形を観た!ウキウキワクワクのラテンプログラム。
夏のアイスショー、フレンズオンアイスの時からヤバかったのに更に洗練されてて、なんてハイセンスなエンターテイナーズなんだ!
衣装もそう来たかっ!と意表を突かれた、ベルサーチイメージ(笑)(by 高橋くん)のオシャレな衣装。
とにかく始終観客を巻き込むノリノリなダンスで、でもなんか品がある。とにかくカッコイイ!
レベルが何とかエレメンツでどうとかは自分にはまだ分からないけど、それはかなだいチームがこれから何とかするんだろうし、そんなことより!プログラムの魅力が凄まじい!でもまだまだこっから、艶々になってく予感。
夏のショーバージョンで大好きだった"Can you handle this?"の首クイッてやる振付は、ちょっと変わってた。以前のいかにもタイマンって感じの好きだったんだけど、今回のもイイ。
絡みが濃厚になってよりセンシュアルになってるような?
ただカメラアングルがちょっと横から過ぎて分かりづらかったんで、次回、もうちょっと正面アングルで観られるといいな。
そうそう!オペラ座の冒頭も!正面!カメラは正面の全身でお願いーーーーーー!!(To NHK様)
◆
まだシーズンは始まったばかりで、RDもFDもこんな魅力最強のプログラムを今シーズンずっと見られると思うだけで幸せだ。本当にありがたい。
かなだいチーム、素晴らしい作品を世に送ってくれてありがとうございます!
余談
プログラムとはちょっと別の話だけど、今回も高橋くん哉中ちゃん二人の清々しい競技への姿勢から、いろんなものを学びました。
実際に分かってるだけでも、実はかなりの苦境にあっただろう二人。
ホームリンクのあるフロリダにハリケーンが直撃したのが9月28日。
リンクがあるHertz Arenaは一時は地域の避難所となり、避難所の役割を終えて営業再開がアナウンスされたのは確か10月17日。
その間どれくらいかは分からないけど、ホテル生活になったり、別の地域のリンクへ通ったりしていたらしい。初戦前の大事な時期に思うように練習メニューが組めなかったのは明らかだ。
加えて怪我。
公式練習時に哉中ちゃんの肩にがっちりテーピングがある事で発覚したけど、大会二週間前の練習中に負った怪我らしい。あと何も言わないけど多分高橋くんも万全じゃなさそう。パフォーマンスに大きく影響したはず。
周りは(私も!)事前予想で勝手にもしや表彰台?なんて盛り上がっちゃたりもしてるなか(笑)、哉中ちゃんも高橋くんも、不利な状況を言い訳にせずただそのままに受け止めて、今できる最善を尽くすことだけに集中してた。
出された結果もただそのまま受け止めて、そこからしっかり学んで、晴れやかに次に向かう二人。
あの健やかさが、あの演技に繋がってるのかなって思う。本当に心の深いところまで響いてくる。強いなあ。
かなだいからは演技だけじゃなく、競技への姿勢から素敵な気づきを貰ってばかり。
本当に感謝です!
◆
そしてあっという間に次戦のデニス・テンくんのメモリアルチャレンジ。もう明後日27日にはRDだ!
ハードスケジュールだけど、きっと二人にとって大切な場所。
襟を正して心して拝見します!(ってどっかで見られるものと思い込んでるけど、見られるのか????)