2005年、高橋くんと同じ試合で見つけた織田信成選手
’05-’06シーズン 織田信成
エキシビションプログラム
高橋大輔選手を初めて見たスケートの大会(多分05GPF)で、同じく初めて織田信成選手を見つけた。
彼のエキシビションプログラムも自分の勝手なフィギュアの概念を覆してくれました!
グランプリファイナルがスーパーマリオブラザーズ、全日本選手権がルースター。
このシーズンのエキシビションでは二つプログラムを見せてくれたけど、どっちもお気に入り。
当時の自分は、かなりお気楽にお楽しみモードでフィギュアを見てるので、選手達が試合の緊張感なくリラックスして楽しませてくれるエキシプロの方が好きなものが多いんだと思う。(マリオは前シーズンのショートプログラムだったらしいけど!)
織田君のこのプログラム達は何と言っても楽しい!
衣装からしてコミカルで、ルースターはなんとパジャマだし、マリオも笑っちゃう程カラフルな衣装。これまたフィギュアスケートらしからぬ所にまず興味を引かれた。
スーパーマリオブラザーズ
マリオのちょっと脱力するような電子音の入る曲に合わせて、コミカルな動きがあちこちに散らばってる。きのこ取ってるし。
こうゆう笑いを誘う動きを嫌味なく楽しく見せるのって元々の素質がないとなかなか難しいはず。多分かなり演技者を選ぶ。織田君はとても自然にそれをこなす。
お客さんを楽しませようとするエンターテイナーっぷりがすごい。
Rooster ルースター
ブカブカのパジャマ姿で登場して、鶏の鳴き声とあくびの仕草で始まる楽しいプログラム。コミカルな振付だけど、でもすごくカッコイイ。
肩をクイクイっと動かす動作もキレがある。足を蹴り上げるような振付もちょっとしたリズムの取り方もすごくカッコイイ!のにちょいちょいユーモラス。楽しい。
動きが軽快でジャンプも軽々。構える感じがしなくて柔らかくて見ててとても気持ちいい。
高橋くんだけでなく、この織田選手を見つけた事でこれからは男子フィギュアを見てみようと思ったのをよく覚えてる。
いいなと思うスケートをする選手が二人とも日本人なんて!とすごくワクワクした。
番外 オフアイス
スケートのプログラムとは違うところで、ああ男子って和やかでいいな〜と印象に残った事。トリノオリンピック出場者が決まる全日本選手権が始まる前の取材コーナー。
この年のオリンピックは日本女子の枠は最大の3枠。
でも女子は実力が拮抗してて良い選手が沢山いた。確か3枠に対して5人くらい候補がいた。
メディアがそれぞれを一堂に集めて意気込みを聞くんだけど、女子は隣にいるお互いへのライバル意識なんかは口に出さず。自分のスケートをするだけ、という感じの模範的な解答が大方。それがかえってヒリヒリした空気を感じた。オリンピックだし緊張感あって当然だし、それはそれで本気感に痺れました。
対して日本男子の枠は1枠。
高橋君と織田君が有力候補で、よくこの二人を並べてメディアが質問してた訳なんだけど、この男子達は拍子抜けしそうなくらいのゆるさだった。いや、本気を感じないとかじゃなくって。それはもちろん感じました。言ってる言葉は「オリンピックへは僕が行きます!」なんだけど。
なのに、「僕が行きます」「いや、僕が行きます」「いや、俺が!」みたいなやり取りが若干コントのようなノリになってて取材してる方も笑っちゃうような和やかな雰囲気。質問終わって帰るときも、先に帰る方をお互い譲らず肩をぶつけ合うみたいな小芝居を入れてきて、これは明らかに場を和ませようとワザとやってる感じ。
お互いに負けたくないとはっきり口にしてるのに、空気が尖らない大らかさが二人ともにあったのがすごくいいな〜と思った記憶。
この時点ではファンという程ではないけど、これからは男子フィギュアも見てみようと
この二人のスケートを見て思ったし、彼らの持つ雰囲気もいいなあと思った。
後々、高橋くん本人も何度か語っているけど、シニアで結果を出し始めたこの頃に織田くんというライバルが身近にいたのは、高橋くんにとってすごく運に恵まれた事だったんだろうなと思う。本人のモチベーションとしても、周りの注目度としても。
織田くんに取ってはどうだったんだろう。あんまりライバルという言葉を口にしない感じがあるけど、やっぱり切磋琢磨できる相手として大きな存在だったんじゃないかなと思う。