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好きなプログラムを好きなだけ語る場所

高橋大輔 沼への道 step1 ノクターン 

2005NHK杯とGPF EX “Seacret Garden”ノクターン

〜このスケート好きだ!と思った最初のプログラム〜

最初に高橋大輔のスケートが好きだと思ったのがこの時。多分2005年グランプリファイナルのエキシビション

とにかくスケートの気持ち良さにやられた。グイーーーーンと伸びる。泳いでるって思った。豪快なスピードなのに動きがやわらかい。

動きの心地良さ

上下黒の衣装に暗い照明の中で、白く浮かんで見える指先の柔らかさがものすっごく綺麗で目を引いた。柔らかくて美しい所作なんだけど、シンプルな黒一色の衣装と高橋君のラフな髪型のせいもあって優美になり過ぎないところが特に良かった。
たださぁっと風が通っていくようなそうゆう心地良さ。
少し長めの髪型、普段着のような黒いシンプルなシャツ。フィギュア衣装っぽくないそれが、プログラムの雰囲気とよく合ってる。

場内に名前がコールされてニコニコしてリンクに出て来るんだけど、曲が鳴った途端にぐっと世界に入ったのが分かってこっちも前のめりに。最初にフワっと両腕を広げるその所作が柔らかくて綺麗でそこでもう気持ちが掴まれた。高橋君の動きに合わせて、何かを追い求めるような切ない感情になる。
視線の置き方も、身体の残し方も、腕から指先への動きも、全部の所作が流れるようにつながってて動きに余韻がある。
ジャンプも、フワッと飛ぶ。軽く、風みたいに、フワっと。気持ちいい。
スピードにのって黒いシャツが風を孕むのも髪がなびくのも、とにかく目に入ってくる映像のすべてが心地良い。

音楽への親和力

あと、選曲がすごくいいと思った。
高橋君のスケートを見ているうちに、その音楽の世界にどっぷり浸ってしまって気持ちよかった。解説で選手本人の振付によると聞いてなるほどと納得。ひたすら本人が気持ちよく楽しく滑る為に作ったのかな〜と思って。

それにしても、ものすごい音楽への親和力。
このシークレット・ガーデンは初めて聴く曲だったけどこのプログラムを見てすぐ好きになった。
最初すごくドラマチックな曲だと思ってた。でも後で音だけで聞いてみたらそんな事もないのに驚く。主旋律の繰り返しがほとんどでむしろ単調なくらいかも。演奏家の込める情感やほんのちょっとした事で表情が出るような曲だと思う。
それが高橋選手のスケートを見てると、音が劇的に切なくなったり激しくなったり喜びにあふれたりして、見てるこっちの感情がそのドラマに入り込んでいく。

ゆら〜っとした弦の音の中に、漂っているような高橋君のスケート(超高速)。
多分、音と戯れるってこんな感じだ。無心でひたすら音楽に身を浸らせてるような(ただし超高速)。音の持つ気持ち良さを全身を使って観客に伝えてくる。

ドラマチックな曲をドラマチックにやるってゆうのとは違う。
音楽の持つ情感をより増幅して見せるのにそれがあんまり自然なもんで見てるこっちはそれに気づかなかったりするんだ。身体表現で。その身一つとスケート靴で。…ただごとじゃない。

この時の彼は19才。それより前の高橋君の演技はよく知らないけど、音楽に対するこの人の感性は多分天性のものなんだとそう確信するような演技だった。
これをまた見てみたいと思った。

実は、試合の前にあったTVの特集で、フリーのラフマニノフのステップがスゴイという前評判にひかれて見たけど、こっちのエキシビション用のプログラムが、私のその後の沼への第一歩。

同じシーズンの競技プログラム”ラフマニノフピアノ協奏曲第二番”

大会を観る前に評判だけ聞いていたラフマニノフのステップは、当時は良く分からないまま。多分ステップと言えば氷を派手に蹴散らすロロ様のダルタニアンが自分に染み付いてたのもある。
ただ、とても印象的だったのが、曲調が優しく変わる所で両手を広げながら上を見上げて、高橋選手がふわっと微笑む箇所があって、それが振付というより心からのものに見えてぐっと胸を突かれた。演技を観客に心から伝えようとしてるように感じてそうゆうタイプのパフォーマーは好きだなと思った。
ラフマニノフの複雑なステップワークが気持ちいいと感じたのは後々見返すようになってから。この年の競技結果としては、アメリカ大会の優勝だけでなく日本男子初のグランプリファイナル表彰台という歴史的快挙を遂げた競技プログラムでした。)

 


Daisuke Takahashi 高橋大輔 Grand Prix Final 2005 Exhibition "Nocturne"

 

あなたが落ちた”高橋大輔”さんはどれでしょうか?